肉体はたましいの容れ物にすぎないのだから
制作年: 2021
素材・技法: キャンバス, 油彩
サイズ: 38 × 50 cm
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:あり



About the Work
- 制作年
- 2021
- 素材・技法
- キャンバス, 油彩
- サイズ
- 38 × 50 cm
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- あり
- 額装
- なし
- 作品証明書
- あり
- 作品の販売元
- 川島桃香
- 発送元地域
- 未設定
- 発送までの日数
- 未設定
- カテゴリー
- 絵画
Work Details
本作は《この星に生まれて》というインスタレーションに合わせて制作された絵画である。このインスタレーションは、古来から日本にある「死んだら海に還る」という考え方を基としながら、地面に近意ほど人間に、天井に近づくに連れて自然へ還っていくような構造だ。
自然と人間の大きな違いは「死を知っているかどうか」ではないだろうか。人間は言葉を知っているからこそ死を知りうる。だからとてもやかましく死んでいくが、対する自然は死を言い表すための言葉を知らず、静かに朽ちる。私はその静かさに美学を感じざるを得ない。人間が静かに死ぬことができないのは、いつか来る終わりを知っていて、その終わりを言い表せてしまうせいで恐怖が浮き彫りになっているからであると考えている。しかし、死者になれば私たちは言葉を取り上げられる。だから私は死をもってして、人間は初めて自然と対等になれるのではないかと期待している。
本作は地面に置かれていること、またタイトルは、プラトンの「肉体は魂の牢獄」という言葉から引用していることから、限りなく人間に近い作品でありながらも、精神が帰属する先を彷徨う作品でもある。
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「喪失が生じた後において、実体のない他者を愛し続けることは可能であるのだろうか」 という問いを軸に、絵画・インスタレーション・詩を横断しながら制作を行っている。 川島桃香は、「喪失が生じた後において、実体のない他者を愛し続けることは可能であるのだろうか」 という問いを軸に、絵画・インスタレーション・詩を横断しながら制作を行っている。 私たちは他者をどのように記憶し続けるのか。 他者の不在が決定的となったとき、その輪郭はどのように変容し、私たちの内部に留まり続けるのか。 川島の作品において、「君」と呼ばれる存在は、単なる個別的な存在を超え、「他者の不在そのもの」を指し示す。 近年は、詩やテキストを起点とし、言葉が持つイメージや空気感を、絵画やインスタレーションへと変換する制作手法を探求している。言葉の持つ具象性と、絵画の持つ非言語性の間に生まれる「翻訳のずれ」を意識しながら、記憶や喪失の輪郭をなぞるように制作を行っている。 2025年に発表した《私たちが選択した生存を、誰にも蹂躙させないと、今ここで宣言してみせる》 では、「800日間生存し続けた証」として、800枚の耐震マットに指紋を押す という行為を通して、「君」との約束を可視化した。 指紋は、個人を識別する記号でありながら、そのわずかな凹凸によって私たちの行為を支える機能を持つ。 この作品では、指紋を「描画行為」として捉え、耐震マットに押し続けることで、私が800日間生存し続けた「証」とした。しかし、800日目を迎えた今、その指紋は「君」を遠ざけ、私自身の生存を肯定するものへと変容してしまったのではないか——その問いは、現在の制作へと接続されている。 新たな制作では、詩と絵画の関係性を再考しながら、「君」の不在を記録する手段としての絵画を模索している。 詩において、「君」と「私」の対話を継続することで、他者の不在と向き合うことは可能なのか。 詩を起点に制作された絵画が、それ自体の「場」を持つことで、新たな対話の可能性を開くことはできるのか。 自己と他者の境界が曖昧になるとき、「他者の記憶」はどこまで維持されるのか。 こうした問いを抱えながら、川島は「喪失の後における他者の在り方」について、探求し続けている。
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