下手袖
制作年: 2023
素材・技法: キャンバス, 油彩
サイズ: 22.7 × 15.8 cm
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:あり

About the Work
- 制作年
- 2023
- 素材・技法
- キャンバス, 油彩
- サイズ
- 22.7 × 15.8 cm
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- あり
- 額装
- なし
- 作品証明書
- あり
- 作品の販売元
- 川島桃香
- 発送元地域
- 未設定
- 発送までの日数
- 未設定
- カテゴリー
- 絵画
Work Details
私は学生時代から合わせると、10年間演劇に携わってきた。その大半は役者ではなく、演出や舞台監督のような裏方であった。
演劇において私が1番好きな瞬間は、下手側の袖から役者が1番最初のセリフを発話する瞬間を見ることだった。緊張の面持ちで袖に待機していた役者が、一歩板の上に踏み出したのならば、すぐさまその「役」としての生涯を始める顔つきとなる。そこから台詞を発話するまでは、「役」と芝居をしている当人とのせめぎ合いが続く。稽古から本番まで見守ってきた彼、彼女らのその一瞬の葛藤と、「役」をまっとうする覚悟を決めた瞬間の最初の台詞の発話を、私は堪らなく尊いと思うのだ。
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Artist
アーティスト
「喪失が生じた後において、実体のない他者を愛し続けることは可能であるのだろうか」 という問いを軸に、絵画・インスタレーション・詩を横断しながら制作を行っている。 川島桃香は、「喪失が生じた後において、実体のない他者を愛し続けることは可能であるのだろうか」 という問いを軸に、絵画・インスタレーション・詩を横断しながら制作を行っている。 私たちは他者をどのように記憶し続けるのか。 他者の不在が決定的となったとき、その輪郭はどのように変容し、私たちの内部に留まり続けるのか。 川島の作品において、「君」と呼ばれる存在は、単なる個別的な存在を超え、「他者の不在そのもの」を指し示す。 近年は、詩やテキストを起点とし、言葉が持つイメージや空気感を、絵画やインスタレーションへと変換する制作手法を探求している。言葉の持つ具象性と、絵画の持つ非言語性の間に生まれる「翻訳のずれ」を意識しながら、記憶や喪失の輪郭をなぞるように制作を行っている。 2025年に発表した《私たちが選択した生存を、誰にも蹂躙させないと、今ここで宣言してみせる》 では、「800日間生存し続けた証」として、800枚の耐震マットに指紋を押す という行為を通して、「君」との約束を可視化した。 指紋は、個人を識別する記号でありながら、そのわずかな凹凸によって私たちの行為を支える機能を持つ。 この作品では、指紋を「描画行為」として捉え、耐震マットに押し続けることで、私が800日間生存し続けた「証」とした。しかし、800日目を迎えた今、その指紋は「君」を遠ざけ、私自身の生存を肯定するものへと変容してしまったのではないか——その問いは、現在の制作へと接続されている。 新たな制作では、詩と絵画の関係性を再考しながら、「君」の不在を記録する手段としての絵画を模索している。 詩において、「君」と「私」の対話を継続することで、他者の不在と向き合うことは可能なのか。 詩を起点に制作された絵画が、それ自体の「場」を持つことで、新たな対話の可能性を開くことはできるのか。 自己と他者の境界が曖昧になるとき、「他者の記憶」はどこまで維持されるのか。 こうした問いを抱えながら、川島は「喪失の後における他者の在り方」について、探求し続けている。
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