幸福連鎖御神籤
制作年: 2018
素材・技法: 和紙, 墨
サイズ: W5000 × D1000 × H5000
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:未設定

About the Work
- 制作年
- 2018
- 素材・技法
- 和紙, 墨
- サイズ
- W5000 × D1000 × H5000
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- 未設定
- 額装
- なし
- 作品証明書
- 未設定
- カテゴリー
- インスタレーション
- スタイル
- 日本画・和
Work Details
幸福連鎖御神籤 について
[和紙の価値、紙の価値とは]
石州和紙 ( ユネスコ無形文化財)にて一年間の紙漉きを学んだ後、ますます深まるのは現代 においての紙の価値であった。
その一つの展開として紙の価値を再認識したのは、2016年東京都美術館に続き、2018年、台湾大里藝術廣場 (Dali Art Plaza ) での参加型インスタレーション「つなぐ おみくじ(幸福連鎖御神籤)」である。
来場者は、番号の書かれた棒を引き、該当する番号の引き出しを開ける。そこにはお告げの 書かれた和紙がある。参加者は、空になった引き出しに、次におみくじを引く人のために、 お告げを書いていく。顔は見えず、国籍も、性別もわからないが墨によって手書きで記載さ れたメッセージには、パーソナルなものが見える。まさに、そのパーソナルな感覚を感じる ことこそが紙の価値、情報を繋いでいくことに可能性があるのではないかと感じた。 また不思議なことに、来場者は自然と空間内に設けてある紐にお告げの書かれたおみくじを 結んでいく。ある程度のガイドラインは示したものの、おみくじの記憶として同認識されて いることを改めて感じるインスタレーションとなった。
(和紙は自身が一年間の間に漉いた 和紙を使用)
作品に使用された和紙は、アーティスト自ら漉いた和紙であり、地元島根県の石州和紙を使用しています。。
「紙の価値とは何か」を問い、その答えの1つとなった作品。
今後も「つなぐ おみくじ(幸福連鎖御神籤)」は国内、海外での実施を予定としています。
2020年夏、新型コロナウイルスの影響が収束し、自粛要請が解かれた暁には都内での展示が決まっていますが、今年の開催が難しい場合は来年の実施へ向けて動いています。
・下記URLより制作やアーティストとしてのインタビューに答えさせて頂いております。
Artist
Artist / 芸術家 / 錆和紙作家
伊藤咲穂(1989年島根県生まれ)は、山梨を拠点に活動するアーティスト。和紙による大規模な絵画制作や神社への奉納を通じて、自然と人との関わり、そして“礼拝としての芸術”の本質を探求している。
武蔵野美術大学でテキスタイルを学び、島根の石州和紙工房で修行し、“錆和紙”を発明。その後、金属・土・砂鉄・岩絵具・水干絵具を和紙に漉き込む独自の技法を確立。近年には日本画の伝統的な色彩や思想に着想を得て、独自の抽象絵画として展開している。
彼女の作品の根底には、“梵我一如”に通じる古神道的世界観——すなわち、人は自然と分かちがたく結ばれ、その恵みの上に生きているという思想がある。彼女にとって、その“人と自然を結ぶ象徴の姿”が神社である。
その土地の自然から素材を“お借りして”作品を制作し、芸術という人間的行為を通じて、その地の神=自然へと“お返しする”。この循環的行為は、自然の完全性と人間の意識的行為とのあいだに生まれる“礼拝のかたち”であり、創造とは、自然への感謝を人間の手で可視化する営みだと捉えている。
彼女にとって“水”は、生命を育み、風土を形成してきた貴重なものであり、感謝や畏れが信仰心と結びついた象徴的存在である。
伊藤は、そうした人と水との関係性を受け継ぎ、絵画の制作においても、水を単なる素材ではなく、和紙や岩絵具と並ぶ重要なマテリアルとして扱っている。制作の最終工程では、“落水”と呼ばれる和紙の伝統技法を用い、水を作品の上に撒くことで、風土と身体の交感を痕跡として刻む。
伊藤の活動は、神道美術における“見えないもの”を描こうとする精神の現代的継承である。神道では、神は姿を持たず、影や自然の現象を通じて顕れるとされる。伊藤はこの思想を抽象絵画として再解釈し、西洋美術における抽象表現主義と対話させながら、日本的霊性を現代の造形言語へと昇華させている。
人間は自然の一部でありながら、自然を敬い、感謝し、返礼し得る存在である。その意識の循環を芸術という形に結晶させること。それが、伊藤咲穂の芸術であり、神道の精神と現代美術の接点である。
2023年に出雲大社へ《命の礼拝》を奉納。2024年にはホテルJANU TOKYOに《青の礼拝》シリーズが常設展示されるなど、国内外で活動の幅を広げている。




































私が普段制作で使用する原料は、島根県で栽培された和紙の原料(楮)と、海岸で採取した砂鉄などを主に使っています。それは、産み出した作品がいつか土へと還ることができる、循環していけるようなシステムとしたいからです。表現の手法はインスタレーションが多く、今までの様々な国内外の美術館や、ギャラリーで展示をして参りましたが、販売に結びつきにくい表現のため毎回資金を捻出するのには頭を悩ませるところです。そのため支援して頂いた資金は次なるインスタレーション作品の材料費、展示に関わる費用に使わせていただき、アーティストととしての仕事に尽くしたいと思います。どうぞサポートのほどよろしくお願いいたします。