利根の大蛇
制作年: 2021
素材・技法: 石, 大理石, セメント, パネル
サイズ: 38 × 45.5 cm
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:あり

About the Work
- 制作年
- 2021
- 素材・技法
- 石, 大理石, セメント, パネル
- サイズ
- 38 × 45.5 cm
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- あり
- 額装
- なし
- 作品証明書
- あり
- カテゴリー
- 壁画
- スタイル
- 動物, 社会・政治・歴史, ロマンティック
Work Details
作品のコンセプト・制作意図
題材は茨城県利根町に伝わる大蛇の話である。昔、利根川で村人が鮭取りをしていると、突然大きな丸太に船が乗り上げてしまった。困って見てみるとそれは大きな蛇だった。彼は驚いて「えがいよー、えがいよー(大きいよー)」と叫ぶこと以外なにもできなかった。この大蛇は利根川に面した江蔵地(えぞうち)に住んでいた事から江蔵地叔父と名がついている。また、この近辺の神之浦(かんのうら)に棲む大蛇は神之浦叔母と呼ばれており、この二匹はつがいで利根町羽根野台の辺りでもよく目撃されたという。舞台となった利根町は利根川と小貝川に面した田園地帯だ。人々は古来より漁や水運業を生活の一部にし、川と共に生活をしていた。私自身も取材に行ったが、利根川の大きさには圧倒された。昔から利根川流域は水害が多く、水神を祀る神社も複数あるなど水にまつわる話は多い。大蛇の伝承もこのような背景から生まれた話なのだと実感した。
引用:利根町史第四巻通史民俗編
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Artist
モザイク作家
経歴 1995年 熊本県出身 2020年 東京藝術大学 美術学部 絵画科 油画専攻 卒業 2023年 東京藝術大学大学院 美術研究科 絵画専攻 壁画研究分野 修了 2023年〜2024年 令和5年度 ポーラ美術振興財団在外研修員としてイタリアにて研修 (Accademia di Belle Arti Ravenna ) 2025年〜 東京藝術大学 テクニカルインストラクター(壁画) 東京藝術大学油画専攻を卒業し、同大学大学院壁画第二研究室への進学を機にモザイク表現を学ぶ。修了後はポーラ美術振興財団在外研修員としてAccademia di Belle Arti Ravennaにて、モザイクの研修を受ける。ラヴェンナの伝統的なモザイク技法を習得し、現在はモザイクのさらなる表現を模索している。 私は大学学部3年生の夏休みに初めてレジデンスに参加した。この土地だからこそ描けるものを題材にしたいと思い模索していたところ、その土地の伝承や伝統、風習に出会った。その時から風景は単なる景色ではなくなり何か特別なものに感じるようになった。その土地に根付いた人々にだけ特別だった風景が、伝承や風習を知ることによって私にも伝わるようになったのだ。このような体験を経て、文字や言葉として受け継がれてきたものを絵として記録していきたいと考えるようになった。 学部在籍時は主に油彩を用いて表現を模索していたが、壁画第2研究室に所属してからはモザイクでの記録を試みるようになった。古代に作られ現在に至るまで重要な文化財として残っているモザイクには、神話やその当時の風俗が描かれている。それらのモザイクとの出会いは、私が伝承という長い年月を経たモチーフをどのような素材で表現したいかを決めるきっかけとなった。またモザイクの特徴である「解像度の低さ」は、少し現実離れした物語を表現するのに最適だった。 モザイクは大理石やガラスを用いるため、状態が良ければ1000年以上もつほど耐久性に優れている。モザイクは長きにわたり伝えられてきた地域の伝承を過去から未来へと引き継ぎたいという動機を実現できるメディアだと考えている。 人が住む土地の数ほど物語や風習があるが、時代と共に廃れて消えていくのが現実だ。私はまだ残されている物語を知り、消えてしまう前に人と土地の特別な関係をモザイクとして見える形として残したいのである。そしてそれらの作品は私がその土地を歩いてきた形跡になり、私自身の記録にもなっていくのだろう。
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