土へ還る
制作年: 2014
素材・技法: 木, 鉄, 粉末・パウダー, その他
サイズ: 2.5 m × 16 m × 0.8 m
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:未設定

About the Work
- 制作年
- 2014
- 素材・技法
- 木, 鉄, 粉末・パウダー, その他
- サイズ
- 2.5 m × 16 m × 0.8 m
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- 未設定
- 額装
- なし
- 作品証明書
- 未設定
- カテゴリー
- インスタレーション
- スタイル
- 日本画・和
Work Details
土へ還る / Returns to the soil について
私たちが、土や花や木や、動物を愛しいと想うのは、いつか自分も土へ還り、それらの一部になることを知っているからだ。老いること、錆びることは美しい。いつか土へと還るための現象、その痕跡は、静かに、安らかに、常に生と寄り添っている。
We love soil, flowers, trees, and animals because we know that someday we will return to the soil and become part of them. The act of being old and being rusty are such a beautiful thing. That’s because these phenomenon lead us to return to the soil someday. These marks stay close by our life quietly and peacefully.
/2.5 m × 16 m × 0.8 m
/2014
Material:楮(kozo) , iron sand , Iron powder , Copper powder , Persimmon juice , animal glue
素材:楮(コウゾ)、砂鉄、鉄粉、銅粉、柿渋、膠
全長16mの作品として、展示 / 2014年に制作後、2015年、2016年、2019年と国内外で展示を重ねております。物質が段々と錆、錆が育っていき、やがれバラバラになって分解されていく過程を表現しました。
今、世界は人類が100年もの間に経験したことのないウイルスと向き合い
同時に、政治や社会のあり方、生き方や思考、感性について問われ、個々の答えを出そうとしています。
もし、私たちが普段食べている食物や自分自身が、やがて土へ還るとしたら、どんなにいいだろうか。先日、表土とウイルスについての研究をされている、研究者のコラムを読みました。詳細は改めてきちんと書き留めたいと思うのですが、土の中にいる無数の微生物や菌によって、ウイルスは生存できないということ。人は土を耕すことによって、免疫を強めアップデートしてきたというような内容が記されていました。それは多様性とも繋がり、強いては多神教、神道へと繋がっていくような気がしています。
「土へ還る」これは私が幼少期から、アートの表現へ進むきっかけになった1つの表現としての作品です。あれから6年経ちますが、この軸だけはずっと変わらないし、これからも何らかの形で表現していくのだと思います。
全ての答えに、「土」がある。そんな気がしてなりません。また、このようなコンセプトで展示を展開したいです。
Artist
Artist / 芸術家 / 錆和紙作家
伊藤咲穂(1989年島根県生まれ)は、山梨を拠点に活動するアーティスト。和紙による大規模な絵画制作や神社への奉納を通じて、自然と人との関わり、そして“礼拝としての芸術”の本質を探求している。
武蔵野美術大学でテキスタイルを学び、島根の石州和紙工房で修行し、“錆和紙”を発明。その後、金属・土・砂鉄・岩絵具・水干絵具を和紙に漉き込む独自の技法を確立。近年には日本画の伝統的な色彩や思想に着想を得て、独自の抽象絵画として展開している。
彼女の作品の根底には、“梵我一如”に通じる古神道的世界観——すなわち、人は自然と分かちがたく結ばれ、その恵みの上に生きているという思想がある。彼女にとって、その“人と自然を結ぶ象徴の姿”が神社である。
その土地の自然から素材を“お借りして”作品を制作し、芸術という人間的行為を通じて、その地の神=自然へと“お返しする”。この循環的行為は、自然の完全性と人間の意識的行為とのあいだに生まれる“礼拝のかたち”であり、創造とは、自然への感謝を人間の手で可視化する営みだと捉えている。
彼女にとって“水”は、生命を育み、風土を形成してきた貴重なものであり、感謝や畏れが信仰心と結びついた象徴的存在である。
伊藤は、そうした人と水との関係性を受け継ぎ、絵画の制作においても、水を単なる素材ではなく、和紙や岩絵具と並ぶ重要なマテリアルとして扱っている。制作の最終工程では、“落水”と呼ばれる和紙の伝統技法を用い、水を作品の上に撒くことで、風土と身体の交感を痕跡として刻む。
伊藤の活動は、神道美術における“見えないもの”を描こうとする精神の現代的継承である。神道では、神は姿を持たず、影や自然の現象を通じて顕れるとされる。伊藤はこの思想を抽象絵画として再解釈し、西洋美術における抽象表現主義と対話させながら、日本的霊性を現代の造形言語へと昇華させている。
人間は自然の一部でありながら、自然を敬い、感謝し、返礼し得る存在である。その意識の循環を芸術という形に結晶させること。それが、伊藤咲穂の芸術であり、神道の精神と現代美術の接点である。
2023年に出雲大社へ《命の礼拝》を奉納。2024年にはホテルJANU TOKYOに《青の礼拝》シリーズが常設展示されるなど、国内外で活動の幅を広げている。















私が普段制作で使用する原料は、島根県で栽培された和紙の原料(楮)と、海岸で採取した砂鉄などを主に使っています。それは、産み出した作品がいつか土へと還ることができる、循環していけるようなシステムとしたいからです。表現の手法はインスタレーションが多く、今までの様々な国内外の美術館や、ギャラリーで展示をして参りましたが、販売に結びつきにくい表現のため毎回資金を捻出するのには頭を悩ませるところです。そのため支援して頂いた資金は次なるインスタレーション作品の材料費、展示に関わる費用に使わせていただき、アーティストととしての仕事に尽くしたいと思います。どうぞサポートのほどよろしくお願いいたします。