年賀状だけの関係が終わる。
制作年: 2020
素材・技法: 布, チャコール, 染色, パネル, 墨, その他, 水彩
サイズ: 135.2 × 200 cm
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:なし

About the Work
- 制作年
- 2020
- 素材・技法
- 布, チャコール, 染色, パネル, 墨, その他, 水彩
- サイズ
- 135.2 × 200 cm
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- なし
- 額装
- なし
- 作品証明書
- なし
- カテゴリー
- 絵画
- スタイル
- 動物
Work Details
第22回「1_WALL」グラフィック部門にてファイナリスト入選した作品。
モチーフを撮影した写真から一つの画素を抽出し、そのCMYK値をもとに布を染色し、礬水を施した上で、三角チャコや墨、透明水彩によって描いている。横幅2メートルに及ぶ、自身最大規模の作品である。
本作は、官製はがきと同じ比率(1:1.48)を画面構成に採用している。年賀状という制度的な形式そのものを前提とすることで、「関係が続いているようで、すでに終わりつつある状態」を画面の枠組みとして可視化している。
かつて勤めていた仏画工房との別れ、そして工房で飼われていた鶏への記憶を起点に、関係性の終わりと新たな時間への移行を画面にとどめている。本作の背景には、Don’t Think Twice, It’s All Right の邦題「くよくよするなよ」という言葉や、歌に宿る別れの感覚があり、1_WALL提出時の詩文にもその影響が反映されている。
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Artist
画家
1995年、神奈川県横浜市生まれ。1998年より愛知県岩倉市で育ち、田畑や身近な生き物に囲まれた環境の中で幼少期を過ごす。幼い頃から絵を描くことに親しみ、将来の夢は画家として個展を開くことだった。2005年、いじめをきっかけに不登校を経験し、その後、名古屋市内の小学校へ転校する。不登校期間中に手塚治虫『ブッダ』に出会い、表現と精神世界への関心を深める。2007年、仏像彫刻家・松本明慶の工房にて住み込みのワークショップに参加し、彫刻紋様など基礎的な技法を学ぶ。一時は仏像彫刻家を志すが、より広い表現の可能性を求め、美術大学への進学を決意する。2011年、家族とともに上京し、朋優学院高等学校普通科美術コース(TSA前身)に入学。高校時代には、政治的立場や価値観の違いを考える中で、同じ出来事でも立場によって異なる見え方が生まれることに関心を持つようになる。この頃は、一つの対象に潜む見えない側面を表すことを制作の主題としていた。2014年、武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻に入学。絵画に加え、パフォーマンスやミクストメディアにも取り組む。2015年、兄の死をテーマとしたパフォーマンスおよびその記録・コスチューム作品を制作し、学内個人賞を受賞する。その後も絵画以外の表現を試みながら、卒業制作を機に再び絵画へと軸足を置く。2018年、卒業制作《Real Clothes I–III》を発表。写真から抽出した画素情報をもとに布を染色し、目で見た像の描画を組み合わせることで、一つの対象に含まれる複数の側面や、記憶、知覚、素材、制作工程を絵画の構造として提示することを試みた。この制作を通して確立した、染色した布を支持体として描く手法は、以後の絵画制作の基盤となる。卒業制作をきっかけに、都内のコマーシャルギャラリーから所属作家として活動しないかとの打診を受けるが、当時すでに進路として決めていた仏画および截金の工房への弟子入りを選んだ。工房には数か月間在籍した。2020年、コールセンター勤務の傍ら制作を続け、《年賀状だけの関係が終わる。》が第22回「1_WALL」グラフィック部門ファイナリストに選出される。同作では、人間と鳥の色覚の違いを手がかりに、認識する主体によって経験される世界が異なることを扱った。2021年、SHINBI GALLERYにて初個展「こばやしけむし」を開催。2022年にはギャラリースペースくらげにて個展「Beautiful Gamers」を開催する。2023年、統合失調症を発症し入院。入院中も多数のドローイングを制作した。この経験や、人間関係における認識の食い違い、さらに哲学との出会いを通して、制作の考え方は大きく変化する。それまでの「一つの対象が持つ複数の側面」を探る制作から、「認識する主体によって異なる経験世界が立ち上がること」へと関心を移した。現在は、染色した布に描く絵画をはじめとする絵画制作、ドローイング、デジタル表現を通して、個人的な記憶、夢、精神的体験を出発点に、意味や判断、現実感がどのように形成されるのかを探求している。限定された線や色、素材の選択、反復的な制作を通して、認識によって立ち上がる世界の構造を作品化している。
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