はじまりの静けさ

制作年: 2019

素材・技法: パネル, アクリル, その他

サイズ: 85.5 × 102.5 cm

エディション: 1点物、ユニーク

サイン:未設定

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はじまりの静けさ

About the Work

制作年
2019
素材・技法
パネル, アクリル, その他
サイズ
85.5 × 102.5 cm
エディション
1点物、ユニーク
サイン
未設定
額装
なし
作品証明書
未設定
スタイル
その他

Work Details

《はじまりの静けさ》
2019年
キャンバス、アクリル、布、角箱
平面・シルクスクリーン
855×1025mm
「コミテコルベールアワード2019」入賞 (東京藝術大学美術館 / 東京)

時代の呼び名が”令和”に変わった日本。私たち日本人は時代が変わったという認識をせざるを得ません。しかし、私は実際に何が変わったのか全く実感できずにいました。“平成”が終わったのだと認識すれば、令和時代の到来を実感できるだろうか。 「終わるから、はじまる」をコンセプトに、平成の記憶と記録が記されたレシートをメインモチーフにしています。情報が著しく発達した“平成”。自身が世の中に複製され、野放しになっています。複製行程を経たレシートは、まるでドッペルゲンガーが溢れかえっているように感じました。”令和”にドッペルゲンガーは溢れていくのではないでしょうか。個は薄れ、姿を変化させていく。本当の記憶の在り方、虚と実とは一体何なのか?

Photo: 永井文仁 © COMITÉ COLBERT JAPAN 、東京藝術大学

こちらの作品は「シャネル」「カルティエ」が参加するコルベール委員会(COMITE COLBERT)ジャパンと東京藝術大学が提携し、未来の文化とアーティスト育成を目的としたプロジェクト「コミテコルベールアワード2019 -令和:新しい時代-」展に出展されました。

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VIKI

アーティスト

2022年東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業。日常的で記憶に残らないような時間や消費行動を「時間のささくれ」とし、情報社会に生きる自身と他者との関わりや「個」としての在り方など、時間に纏わる言語を考察しながら制作をしている。 日本全国からレシートを集め、2015年からアイロンとレシートを使ったライブアートパフォーマンスを開始。熱を与えると変色する感熱紙の特徴を生かし、熱でドローイングする。ほか、壁画、油画、インスタレーション、グラフィックデザインなど、活動は多岐にわたる。 アーティストステイトメント  僕は熱しやすく冷めやすい生き方をしてきた。言ってみれば器用貧乏として生きてきたのかもしれない。おとなしくて、笑わなくて、紙とペンをいつも持ち歩いている子供だった。父子家庭で育った幼少期、コンビニ弁当生活が続いた。母親代わりの祖母が入院した時だった。値段と日替わり弁当と書かれた感熱紙のラベルは、油汚れのついた電子レンジで温めると、小さなラベルの世界がじんわりと飲み込まれるように黒くにじんでいく。僕は油に放り込まれたような時間を体感し、消費されていく感覚を持ち始めた。もう二度と戻らないというリアリティがつきまとい、生死と時間が定められた速度で前に進んでいる。誰にでも平等に与えられる 24 時間を意識せざるを得なかった。それから僕は、コンビニ弁当を買っては電子レンジで温める度に、じっとラベルの世界が染まっていく時間を見届けることが日課になった。後に僕の中にある身動きができないような静かな熱を、そのまま表してくれる感熱紙が感情のキャンバスとなった。そして紙とペンを持ち歩いていた僕の手には、いつしかレシートだけになっていた。爪先がペンの代わりとなり、掻きむしるように摩擦熱となって、他者の時間が刻まれたレシートにも施されていった。とはいえ、時間は僕を構成するエレメントであるにも関わらず、僕は未だに時間を理解できない。あるいはそもそもその気がないのかもしれない。しかし、他者は僕が知りえない時間を容赦なく与えてくる。他者と僕の時間の摩擦を感じるとることで、はじめて時間を理解できるのではないかと考えている。それが僕のパフォーマンスであり、僕の生と熱が生き続ける証として実体化するのである。  熱はいつかきっと冷めてしまうかもしれない。熱が色褪せて、記憶や記録として残していたものの輝きを失ったとしても、僕は褪せてしまった時間は美しいと思う。そしてまた新たな時間として見つめ直さなければならない。

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Hot Comments

zealhisao

山本尚志
Blue Stickerを送りました。

over 6 years ago

経済大国日本。それを象徴するATMや、コンビニエンスストアのレシートたち。でも手近にあって、なんだかポケットに丸まってそうな存在。それは僕だ。それらを取り出しても、何かが起こるわけでもない。だったら、ここにこうして閉じ込めておこう。新たな時代を迎える前に。 朱に染められた部分は真ん中に配置され、その周りをかき消すように、弾くように描かれた白。そんなふうに平成時代のレシートをアクリルケースに無造作に閉じ込めることは、作者にとって次なる時代に何かの感触を示したのだろうか。 本作を日の丸弁当のアイコンとして見立て、会田誠のランチボックペインティングと対で見たい気もする。

Pro-botti-tabi

クレヨン
Gold Stickerを送りました。

over 6 years ago

政治が社会が、-生産- -消費-出来なくなりつつある現状を静かに見つめる平成のレシートたち。 令和になったからどうこうと言う訳ではありませんが、 いま、社会には日本の政治の遅れている部分がより浮き彫りになった。今になって知れた事ではないが。メディアによる過剰な表現の仕方で人々はパニックになり、通常に出来ていたことが出来なくなる。人間の脆さ。 虚と実とは…本当に何なんでしょうね?¿ 静かに考えさせてくれます。今この作品を観てると。

Ryu___Collection

Ryu
Red Stickerを送りました。

over 6 years ago

素敵な作品ですね。実際に見てみたいので、自由が丘へ足を運びたいと思います。

最終更新日
2020.03.02