ここから、還るところ
制作年: 2022
素材・技法: 墨, 顔料, 砂絵
サイズ: 500 × 385 × 530 cm
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:未設定

About the Work
- 制作年
- 2022
- 素材・技法
- 墨, 顔料, 砂絵
- サイズ
- 500 × 385 × 530 cm
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- 未設定
- 額装
- なし
- 作品証明書
- 未設定
- カテゴリー
- インスタレーション
- スタイル
- エモーショナル
Work Details
本作《ここから、還るところ》の制作は、3年前の2019年11月、信濃大町アーティスト イン レジデンス「あさひAIR」での滞在を機に始まりました。その後も自主制作を続け、2021年8月に完成。
会場は大町市内の蔵。敷地内に小さな川が流れており、鑑賞者はまずこの川を渡り、靴を脱いで奥の蔵の中へと入る。
鑑賞者は基本一人ずつ、10分間ずつの観賞になる。照明が薄暗く、入ってすぐはほぼ何も見えない。床に座り、じっと身を置くと少しずつ目がなれて景色が浮かび上がってくる。
本作が完成するまでの2年間、何度かこの地を訪れ、四季折々の大町を体感しました。眩しい陽の光に照らされた自然・動植物は皆、生命力に満ちて美しかった。ただ、私が最も心動かされたのは、真っ暗な夜の景色でした。
外灯が少なく、月明かりもない夜の湖は特別だった。空と山が映る水面を眺めていると、どちらが天か地か、実像か虚像か分からなくなる。底無しの黒い空へ吸い込まれて、自分の所在を失いそうな闇に恐れを抱きながらも、すべてを平等に黒く染め、あらゆる境界を曖昧にさせる暗闇の世界に惹かれた。
そんな暗闇の中、向こう岸で微かに灯る光が、心の救いとなった。あの光の方へ向かいたい。そんな想いが湧いてきた。闇の中であるからこそ、その闇が深ければ深いほど、微かな光も切実な救済の光となると感じた。闇の中に身を置いて、光を描くこと。長期にわたる蔵での制作は、洞窟の中で見えない出口を、外の光を、還るところを、探し求めるかのようでもあった。
この作品を観る人それぞれが、静かに自身の内側を見つめ、その中に灯る光を見つける場となれば幸いです。今いるところより先の、本来の還るところへ、私たちそれぞれを導く光が見つかりますように。
Artist
美術家
1992 年、京都府生まれ。東京藝術大学大学院 美術研究科 先端藝術表現専攻修了。社寺建築や墓石を手がける京都の石材店に生まれ育つ。 制作を通して、私たちの身体や意識を超えた、本質的な次元について探究している。 石やドローイングを用いたインスタレーションを主な手法とし、根源的な地点へ誘う鑑賞体験を目指しています。
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