写像形式的冲火 — III. 消去の論理像

制作年: 2022

素材・技法: チャコール, その他

サイズ: 300 × 488 × 245 cm

エディション: 1点物、ユニーク

サイン:未設定

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写像形式的冲火 — III. 消去の論理像
写像形式的冲火 — III. 消去の論理像
写像形式的冲火 — III. 消去の論理像

About the Work

制作年
2022
素材・技法
チャコール, その他
サイズ
300 × 488 × 245 cm
エディション
1点物、ユニーク
サイン
未設定
額装
なし
作品証明書
未設定
スタイル
コンセプチュアル

Work Details

写像形式的冲火 — III. 消去の論理像
2021 W4880 * H3000 * D2440mm 炭,寒水石,光(20'17")

1. それは写像形式を描写する

2. その写像は意味の全単射ではあり得ない.ゆえに数学的写像とは異なる

3. その写像形式は語りえず示されるしかない

4. その物質の名は、それだけでは対象ではない.解釈を経て現象から分節される

5. その論理像は消去行為を写像することで同時に創造行為と製図行為を規定する

6. その像の要素命題は言語ではなく光景として分析されうる

7. それはそのまま現れる

本作品は,炭の柱を使ったシリーズ「写像形式的冲火(ちゅうか)」3番目の試みです.「写像形式」という言葉はオーストリアの哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインによる『論理哲学論考』という著作より借りてきた言葉です.この著作は,整頓されたメモ帳のような形をとっています.というのも,7つの主題的な短い文言それぞれに,その解説や補足としていくつかの文言が秩序づけられて並んでいます(冒頭の7つの文言はそのパロディーです).

彼はその中で,「命題(文)とは私たちが現実世界を捉える時に作りあげる像である」ということを中心に理論を展開しています.像を作りあげる行為を,数学用語を流用して「写像」と呼び,さらに,像と写される対象である事実との繋がり方を「写像形式」と呼びました.彼の論旨は,私たちは写像については語ることができるが,写像形式については語ることができず,示されることしかないというものでした.

語ることができないことには,論理も,倫理も,美も,死も含まれます.これらの概念については,語ることではなく示すことしかなす術がない.

しかし私は,語りえないことに突進したいのです.死について.生について.美とは言い難い,得体のしれない幽霊のようなこの何かについて.

そのために,家の残骸の柱を燃やして炭にして,再び立ててみたらどうだろう—消えていくけれど,私を作りあげる物質として.(タイトルにある「冲火」は,三島由紀夫『金閣寺』で金閣が燃えるときの炎の描写から拝借しました.)その足元に,世界の巨視的な写像—地図—を投射してみたらどうだろう.その地図には,ある特定の都市の地図,金星の地表の航空写真を私の思考マップに重ねた地図,宇宙の地図が含まれています.

私たちがここにいて,私たちが像を作るというこの事態を,独立した一つの事態として捉えられるのではないでしょうか.あなたが,この場所で起こっていることを経験して,読み込んで,ある像を描くこと.それもまた一つの事態と言えます.そのようなある種の創造行為は,消去されていく物質によって実現されているのです.

消去による創造が,ここでは試みられています.

Exhibition Information

Artist

奥村 研太郎
✔︎

1999年生まれ.美術家.生命とは,言語とは何かという問いにアプローチする.
2022年4月東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業予定
2021年上野芸友賞受賞
2020年安宅賞受賞

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over 4 years ago

番組内で語られた「当たりだと思っている概念にもう一度目を向けてみる」という言葉にグッときました。今、日常の様々な場面で、「これって本当にそうだっけ?これでいいんだっけ?」と考える機会が増えたように思います。実際に拝見できるのも楽しみです。

最終更新日
2022.01.26