作品ページにコンセプトや制作の背景を書いていますので、ぜひご覧ください。
佐野魁
美術作家
美術作家
1994 静岡県生まれ。
素材が持つ堅牢性、脆弱さ、刹那性に応答した平面、立体作品を展開する。
時間の経過や家族との関係、時世により変化する部屋や家の存在をテーマに制作して いる。近年では、ひび割れたコンクリートを支持体として、木炭で作家自身の住まいや生家などの プライベートな空間を描写した作品を発表している。
私はこれまで時間の経過や家族との関係、時世により変化する「部屋」や「家」の存在に焦点を当てた 平面、立体作品を展開してきました。自身の結婚による環境の変化やコロナ渦という特殊な環境下 により、一番身近な空間である「部屋」という存在に何がおこっているのか気になり始めました。今まではただの無機質な箱としてしか認識していなかったものが、有機的で変わりゆくものとして存 在していることに気づいたのです。
「 部屋 」はそれ自体がモチーフとして存在しています。さらには部屋の中も外界と切り離されているようで、社会との接続を感じさせる多様なモチーフに溢れています。 毎日家族と腰掛けるソファー、窓から見える家、沢山の本、古びた写真立て、家族との会話。それぞれのモチーフには様々な性質が隠されています。或いは当たり前のように目の前にありすぎて、そのモチーフが持つ性質に気づいていないだけかもしれません。部屋の中にある一つ一つの「もの」や「こと」に新たな解釈を加えて、それぞれの関係性を結び直すこと。堅牢性や刹那性を帯びた素材を使用し、モチーフに備わっている意味に揺さぶりを与え、一番身近で親密な空間を捉え直します。