Nox

制作年: 2026

素材・技法: 映像・ビデオ, デジタル, LED

エディション: 未設定

サイン:未設定

Nox

About the Work

制作年
2026
素材・技法
映像・ビデオ, デジタル, LED
エディション
未設定
サイン
未設定
額装
未設定
作品証明書
未設定
カテゴリー
メディアアート
スタイル
デジタル, ポートレート, 自画像, アウトサイダーアート, エモーショナル, 社会・政治・歴史, アニメ, その他

Work Details

『Nox』は、トラウマ、解離、そして存在と消失のあわいにある脆い境界を探求する、自伝的な没入型体験作品です。

本作は、監督自身が複雑性PTSDとともに生きてきた経験をもとに、アイデンティティの断片化、離人感、不思議の国のアリス症候群といった心理状態を、空間的な物語と身体的なインタラクションへと変換しています。

参加者は静かな声に導かれながら、トラウマ体験の内側から生まれた記憶、絵、音、意識の断片によって構成された、夢のような世界を進んでいきます。手は歪み、空間は崩れ、知覚は揺らぎ、参加者自身の身体もまた、現実が不安定になり、自己が溶け始める風景の一部となります。

コントローラーを使わないインタラクション、VRとMRの移行、そして親密な一人称の語りを通して、『Nox』は、トラウマを外側からただ観察するのではなく、それによって生み出される不安定な空間の内側へと参加者を招き入れます。

喪失、孤立、解離によって形づくられた世界のなかで、本作は、美しさや他者とのつながり、そして生き続けようとする意志へと向かう、静かな歩みを描いています。

展示風景

Artist

ナカダリオ
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ナカダリオ

メディアアーティスト

2007年生まれ。日本を拠点に活動するアーティスト、映像作家、クリエイティブ・テクノロジスト。ドローイング、映像、XR、インタラクティブ・メディアを横断し、知覚、身体性、記憶、意識、内的世界と外的世界のあわいを探究している。自身の経験と学際的なリサーチを起点に、言葉では捉えにくい感覚や心理状態を、他者が身体を通して出会える作品へと変換する。 直感的なドローイングでは、言語になる以前の思考や感情を「知覚の痕跡」として記録する一方、VR・MR作品では、触覚、解離、知覚の歪み、記憶の断片化などを空間的な物語とインタラクションによって表現する。主な作品に、視覚から触覚的感覚を生み出すMR作品『Tactus』、複雑性PTSDの当事者経験をもとにしたXRドキュメンタリー『Nox』がある。『Nox』は第55回ロッテルダム国際映画祭CineMart「Lightroom」部門に選出。『Tactus』はNICOGRAPH 2024デモ展示賞を受賞した。現在、慶應義塾大学環境情報学部(SFC)在籍。 2007年生まれ。日本を拠点に活動するアーティスト、映像作家、クリエイティブ・テクノロジスト。現在、慶應義塾大学環境情報学部(SFC)に在籍している。 ドローイング、映像、インタラクティブ・メディア、VR、MR、空間コンピューティングなど、アナログとデジタルの領域を横断しながら、知覚、身体性、意識、記憶、そして内的世界と外的世界の間にある脆い境界を探究している。制作の起点にあるのは、自身の生の経験と、心理学、認知科学、ヒューマン・コンピュータ・インタラクションなどをめぐる学際的なリサーチである。感覚や感情、意識の状態といった、言葉だけでは伝えることの難しい経験を、他者が身体を通して遭遇し、共有できる形へ翻訳することを試みている。 制作において、ドローイングは中心的な位置を占める。自動的かつ直感的に引かれる線や形を通して、言語として整理される以前の思考、感情、身体感覚を記録する。それらは経験を説明するための図像ではなく、知覚そのものが紙面に残した生の痕跡として捉えられている。一方、XRやインタラクティブ作品では、個人的な経験を観客が入り込める空間へと変換する。鑑賞者の手、視線、頭の動き、身体の位置を作品の一部として取り込み、現実と想像、自己と環境、存在と不在の境界が揺らぐ体験を構成している。 主要作品『Tactus』は、視覚情報によって触覚に似た感覚を喚起するクロスモーダルな知覚をテーマとしたMR作品である。現実空間に現れる水のような仮想物体に素手で触れ、分裂させ、再び結び合わせる体験を通して、物理的な触覚装置を用いずに「触れたように感じる」感覚の生成を探究する。同作は2023年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業に採択され、NICOGRAPH 2024でデモ展示賞を受賞。CEDEC 2025学術研究分野インタラクティブセッションなどで招待展示された。 XRドキュメンタリー『Nox』は、自身の複雑性PTSDの経験をもとに、トラウマ、解離、自己の断片化、離人感、知覚の歪みを、一人称視点の空間的物語と身体的インタラクションへと変換した作品である。コントローラーを用いず、鑑賞者自身の手や身体の動きによって進行するVR/MR体験として、当事者の内的世界を外側から説明するのではなく、その不安定な知覚の内部へ観客を招き入れる。痛みや孤立を描くだけでなく、美しさ、つながり、生き続けようとする意志へ向かう過程を表現している。同作は経済産業省「創風」事業に2年連続で採択され、AIxR CREATIVE AWARD 2025学生部門優秀賞を受賞。2026年、第55回ロッテルダム国際映画祭のCineMart「Lightroom」部門に選出された。 2022年、Apple WWDC22 Swift Student Challenge Winnerに選出。2024年には個展「Tactus: Echoes in the Flow」、2025年には代官山ヒルサイドテラスで個展「Nox」および「融ける輪郭、満ちる水」を開催した。作品は国際映画祭、学術会議、メディアアート展、招待展示などで発表されている。2026年、クマ財団クリエイター奨学生に採択。 その実践を貫くのは、痛みと希望、脆さと強さ、孤独とつながりという相反する力の間に生じる緊張への関心である。ドローイングと先端技術の双方を通して、目に見えず、説明や共有が難しい経験に形を与え、知覚が自己と世界の理解をどのようにつくり上げるのかを問い続けている。

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最終更新日
2026.07.14