Tactus: Echoes in the Flow
制作年: 2024, 2025
素材・技法: LED, 音・サウンド, デジタル
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:未設定

About the Work
- 制作年
- 2024, 2025
- 素材・技法
- LED, 音・サウンド, デジタル
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- 未設定
- クレジット
- 協力: 文化庁、KST EVENTS
- 額装
- 未設定
- 作品証明書
- 未設定
- カテゴリー
- メディアアート
- スタイル
- デジタル, 抽象
Work Details
「音の可視化」をテーマとしたインタラクティブアート。
MR(複合現実)技術を用いて現実世界の環境音と個人の脳が認知する音の関係性を自らの身体を通してコントロールするという新たな世界を開拓し、人間の可能性とテクノロジーによってもたらされる希望と未来を見つめる。
動画
私たちは言葉という限られた手段でコミュニケーションを図るが、その背後には常に膨大な感情、思考、意図が潜んでいる。言葉はしばしば誤解を生み、真意を伝えきれない。特に、現代のSNS社会では、無機質な文字があふれ、匿名性に守られた言葉が簡単に他者を傷つけ、心の深層にまで影響を及ぼす。
言葉に限界があることを痛感しながらも、私たちはそれに依存し続けている現実がある。
作者自身もまた、言葉によって伝わらないもどかしさ、相手に真意が届かないことへの苛立ちを感じてきた。特に、SNSの世界では、無責任に発せられた言葉に傷つき、誤解されることが多々ある。
「文字化け」した言葉は、意味から解放され、音として新たに再構築される。絶えず形を変える音は、従来の言語の枠を超えて、予期せぬ反響を生む。私達の感覚を通じて、対話は柔軟で流動的なものへと変わってゆく。音のリズムや響きに触れながら、私たちは言葉だけでは捉えきれない感情や意図を探り、絶えず変化する対話のカタチを模索し続ける。
出自不明の言葉は、もはやメッセージを持たず、ただ漂うのみである。
言葉はどこから流れてきたのか。
私の吐いた言葉はどこへ流れていったのか。
受け取られることのない言葉は、忘れられ、透き通ってゆく。
忘れられ、透き通ったまま、それでも静かに巡ってゆく。
微かな響きに、あなたが触れる時まで。
・令和5年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業創作支援プログラム採択
・芸術科学会 Nicograph2024 デモ展示賞
・NEXT YOUNG ARTIST AWARD 2025(NYAA 2025)アート&ニューメディア部門入選
Tactus 展示歴
・芸術科学会 Nicograph2024
・個展 "Tactus: Echoes in the Flow"
・CEDEC2025学術研究分野(AC)インタラクティブセッション招待展示
・住友商事 MIRAI LAB PALETTE 招待展示
・令和5年度 文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業成果発表イベント「ENCOUNTERS」表参道ヒルズ
・ CEDEC2025 招待展示
・AMG2025 - アジアMENSA国際ギャザリング 招待展示
Artist
メディアアーティスト
2007年生まれ。日本を拠点に活動するアーティスト、映像作家、クリエイティブ・テクノロジスト。ドローイング、映像、XR、インタラクティブ・メディアを横断し、知覚、身体性、記憶、意識、内的世界と外的世界のあわいを探究している。自身の経験と学際的なリサーチを起点に、言葉では捉えにくい感覚や心理状態を、他者が身体を通して出会える作品へと変換する。 直感的なドローイングでは、言語になる以前の思考や感情を「知覚の痕跡」として記録する一方、VR・MR作品では、触覚、解離、知覚の歪み、記憶の断片化などを空間的な物語とインタラクションによって表現する。主な作品に、視覚から触覚的感覚を生み出すMR作品『Tactus』、複雑性PTSDの当事者経験をもとにしたXRドキュメンタリー『Nox』がある。『Nox』は第55回ロッテルダム国際映画祭CineMart「Lightroom」部門に選出。『Tactus』はNICOGRAPH 2024デモ展示賞を受賞した。現在、慶應義塾大学環境情報学部(SFC)在籍。 2007年生まれ。日本を拠点に活動するアーティスト、映像作家、クリエイティブ・テクノロジスト。現在、慶應義塾大学環境情報学部(SFC)に在籍している。 ドローイング、映像、インタラクティブ・メディア、VR、MR、空間コンピューティングなど、アナログとデジタルの領域を横断しながら、知覚、身体性、意識、記憶、そして内的世界と外的世界の間にある脆い境界を探究している。制作の起点にあるのは、自身の生の経験と、心理学、認知科学、ヒューマン・コンピュータ・インタラクションなどをめぐる学際的なリサーチである。感覚や感情、意識の状態といった、言葉だけでは伝えることの難しい経験を、他者が身体を通して遭遇し、共有できる形へ翻訳することを試みている。 制作において、ドローイングは中心的な位置を占める。自動的かつ直感的に引かれる線や形を通して、言語として整理される以前の思考、感情、身体感覚を記録する。それらは経験を説明するための図像ではなく、知覚そのものが紙面に残した生の痕跡として捉えられている。一方、XRやインタラクティブ作品では、個人的な経験を観客が入り込める空間へと変換する。鑑賞者の手、視線、頭の動き、身体の位置を作品の一部として取り込み、現実と想像、自己と環境、存在と不在の境界が揺らぐ体験を構成している。 主要作品『Tactus』は、視覚情報によって触覚に似た感覚を喚起するクロスモーダルな知覚をテーマとしたMR作品である。現実空間に現れる水のような仮想物体に素手で触れ、分裂させ、再び結び合わせる体験を通して、物理的な触覚装置を用いずに「触れたように感じる」感覚の生成を探究する。同作は2023年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業に採択され、NICOGRAPH 2024でデモ展示賞を受賞。CEDEC 2025学術研究分野インタラクティブセッションなどで招待展示された。 XRドキュメンタリー『Nox』は、自身の複雑性PTSDの経験をもとに、トラウマ、解離、自己の断片化、離人感、知覚の歪みを、一人称視点の空間的物語と身体的インタラクションへと変換した作品である。コントローラーを用いず、鑑賞者自身の手や身体の動きによって進行するVR/MR体験として、当事者の内的世界を外側から説明するのではなく、その不安定な知覚の内部へ観客を招き入れる。痛みや孤立を描くだけでなく、美しさ、つながり、生き続けようとする意志へ向かう過程を表現している。同作は経済産業省「創風」事業に2年連続で採択され、AIxR CREATIVE AWARD 2025学生部門優秀賞を受賞。2026年、第55回ロッテルダム国際映画祭のCineMart「Lightroom」部門に選出された。 2022年、Apple WWDC22 Swift Student Challenge Winnerに選出。2024年には個展「Tactus: Echoes in the Flow」、2025年には代官山ヒルサイドテラスで個展「Nox」および「融ける輪郭、満ちる水」を開催した。作品は国際映画祭、学術会議、メディアアート展、招待展示などで発表されている。2026年、クマ財団クリエイター奨学生に採択。 その実践を貫くのは、痛みと希望、脆さと強さ、孤独とつながりという相反する力の間に生じる緊張への関心である。ドローイングと先端技術の双方を通して、目に見えず、説明や共有が難しい経験に形を与え、知覚が自己と世界の理解をどのようにつくり上げるのかを問い続けている。
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