画家のアトリエ
制作年: 2020
素材・技法: その他
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:未設定

About the Work
- 制作年
- 2020
- 素材・技法
- その他
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- 未設定
- クレジット
- ©️UCHIUMI SATOSHI
- 額装
- なし
- 作品証明書
- 未設定
- カテゴリー
- インスタレーション
- スタイル
- その他
Work Details
2016年より茨城県境町のふるさと納税と共に発表した企画「納税と寄付と価値と美術」(参照 https://uchiuminfo.exblog.jp/26074683/)に続く、境町とコラボ企画第2弾として「画家のアトリエ(街並みに画家の制作風景を投げ入れる)」を発表します。
試験的に同町内に新規オープンした施設「s-start up」(茨城県境町152-3)にアトリエ機能の一部を移動し、制作をおこなうというものです。大きなガラス面のある施設なので、制作する様子は外から自由に見ることができます。(コロナ禍問題もありますし、アトリエは仕事場でもあるので、あまり頻繁に話しかけられても困りますが、外から眺める分には問題ありません。)「S-start up」は境町にある休遊施設をリノベーションし、独立起業を応援する施設として制作された複合施設です。カフェ、ラーメン屋さんとの並びにアトリエを構えます。突然ですが、皆様はご自分の就かれている職や憧れている職の存在をいつ頃に知りましたか?生家の稼業でしたら、生まれた時から知っているかもしれませんが、世の中には多くの職があり、その職にたどり着くのに時間がかかる事も多いと思います。そんななか、「画家」という存在をいつ頃から知っているかと考えると、僕は小学校低学年では知識として入っていました。それが絵本からなのか?テレビからなのか?マンガなのか?は定かではありませんが、「画家」という存在を「知る」のはかなり早い時期だと思います。しかし、「画家」という存在を実際に「見る」機会はどれくらいあるでしょうか?僕は高校の美術部の先生が偶然「画家」であったためにその存在を見ることができましたが、それがなければ一度も出会うことなく人生が過ぎていったかもしれません。存在を知っているのに、実物を見たことがない。「画家」とはまるで「幽霊」のような存在だと思います。それでは「画家」とは何をもって「画家」であるかというと、「作品を描いている」という事に他なりません。「作品を描いている」のは主に屋内にある「アトリエ」です。世に居る画家や美術家がアトリエで制作をすることって、基本的にはクローズドなので、あまり目にすることがありません。これが、「画家」に出会う機会を極端に少なくする要因だと思われます。そこで、「画家」がその本分とする「制作をする行為」をオープンにして街の風景に投入してみようと試みます。
世にある「展覧会」や「美術展」を開催するということは画家の制作のほんの一部に過ぎず、「制作する」という行為の繰り返しが画家の本来生きている日常です。画家、美術家という存在が居て、日々制作をしているという事実をオープンにする事で、その存在を白日の下に晒すことを目的としています。日本は美術の後進国だと言われています。それには教育の問題や文化への無理解などが取り上げられますが、単純に美術作家が身近にいないので、存在を感じることが出来ないのではないのかなと思っています。美術作品や美術館はそれほど遠くにあるものではなく、みんなの日常の延長上にあります。日常の風景を構成している市井の町民が、日々の暮らしの中で制作をしているという事実を目に見える形にしてみるという社会的実験です。作家なんて実はたくさんいるし、創作をするというのは人間の基本的な営みなので、あなたの隣人やすれ違う誰かが、日々絵を描き、音楽を作曲し、物語を夢想し、ダンスを練習し、成形し、創造し、あらゆる技術を編み出し、試行錯誤の只中でもがいているかもしれません。でも、その営みが少しだけ未来を明るくし、日本の文化を厚く、熱くしてゆくのだと僕は思っています。本当は僕は蜂が巣をつくるように人目のつかない場所でコツコツと制作をする事が好きなのですが、アトリエ機能を街並みに投げ入れる事で、畳屋さんが畳を作っているとか、八百屋さんが野菜を売っていると同じように、画家がこの世にいる事を知っていながら風景に溶けていけたらと思っています。
2020年7月 画家/美術家 内海聖史


















「画家のアトリエ」として、制作状況を公開しています。
アトリエ維持に費用がかかるので、ご支援をいただけましたら幸いです。
茨城県境町という、近所に美術館などない関東の田舎町にてアトリエを公開し、制作をすることを身近にする試みです。