消しゴム森

エディション: 1点物、ユニーク

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消しゴム森

About the Work

エディション
1点物、ユニーク
サイン
未設定
額装
なし
作品証明書
未設定
カテゴリー
演劇
スタイル
その他

Work Details

消しゴム森でトライすること
岡田利規(作・演出)

ヒトが人間中心主義の外に出るためのパースペクティヴに少しでも感覚のレベルで触れ、接近するための手助けとなるものに、『消しゴム森』という展覧会/上演を、しつらえたい。

そのために『消しゴム森』を、モノとヒトとの、たとえば、ヒトに道具として用いられるモノ/道具としてのモノを用いるヒト、といった主従関係とは異なる関わりのありようを提示する場、モノとヒトとの関係がそのようなものへと変容していく様子を提示する場にしたい。

モノとヒトとの相違・境界をなめらかにし、溶かしさえしてくれる可能性のあるものとして、映像を取り込みたい。わたしたちが昨年から取り組む〈映像演劇〉と呼んでいる手法を、多用したい。

モノとヒトの関係のさまざまなヴァリエーションを持った複数の異なるパフォーマンスを、演劇というフォーマットを用いて生み出していきたい。つまり、ヒト(鑑賞者)に向けたヒト(俳優)による演劇、ヒト(鑑賞者)に向けたモノによる演劇、モノに向けたモノによる演劇、どこかに向けたモノによる演劇、など。

金氏徹平(セノグラフィー)

人間とモノと空間と時間との新しい関係性。生まれていない/存在していない人間が持っている思考。たくさんの時間とたくさんの人間の思惑によって出来上がった制度や空間をモノが占拠することによって、既存の境界線とは全く別のでたらめな境界線を引き台無しにする。タイムマシンの材料をホームセンターで見つける。など、ある意味で想像することも不可能かもしれないことを、演劇(あるいはチェルフィッチュ)もしくは劇場、彫刻(あるいは金氏)もしくは美術館の制度や空間や手法やコンセプトを駆使して実現しようというのが今回の僕にとっての試みです。

劇場版の『消しゴム山』は、存在しないもしくはかつて存在した山を遠くから眺めるようなものであるとすれば、美術館版の『消しゴム森』は自らその中に踏み入るものになると思います。森の中は危険がいっぱい。

プロフィール
岡田利規(おかだ・としき)
©️宇壽山貴久子

1973 年横浜生まれ、熊本在住。演劇作家/小説家/チェルフィッチュ主宰。活動は従来の演劇の概念を覆すとみなされ国内外で注目される。2005 年『三月の5日間』で第49 回岸田國士戯曲賞を受賞。同年7月『クーラー』で「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005ー次代を担う振付家の発掘ー」最終選考会に出場。2007 年デビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を新潮社より発表、翌年第2回大江健三郎賞受賞。2012 年より岸田國士戯曲賞の審査員を務める。2013 年には初の演劇論集『遡行 変形していくための演劇論』、2014 年には戯曲集『現在地』を河出書房新社より刊行。2016 年よりドイツ有数の公立劇場ミュンヘン・カンマーシュピーレのレパートリー作品演出を4シーズンにわたって務める。2018 年8 月にはタイの小説家、ウティット・へーマムーンの原作を舞台化し、塚原悠也とコラボレーションした『プラータナー:憑依のポートレート』をバンコクにて発表、12 月にフェスティバル・ドートンヌ/ジャポニスム2018(パリ)、2019年に響きあうアジア2019(東京)にて上演。

チェルフィッチュ

岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして1997年に設立。独特な言葉と身体の関係性を用いた手法が評価され、現代を代表する演劇カンパニーとして国内外で高い注目を集める。その日常的所作を誇張しているような/していないようなだらだらとしてノイジーな身体性は時にダンス的とも評価された。2007年ヨーロッパ・パフォーミングアーツ界の最重要フェスティバルと称されるクンステン・フェスティバル・デザール2007(ブリュッセル/ベルギー)にて『三月の5日間』が初めての国外進出を果たして以降、アジア、欧州、北米にわたる計70都市で上演。2011年には『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』が、モントリオール(カナダ)の演劇批評家協会の批評家賞を受賞。

近年は、世界有数のフェスティバル・劇場との国際共同製作により、『現在地』(2012)、『地面と床』(2013)、『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』(2014)、『部屋に流れる時間の旅』(2016)『三月の5日間』リクリエーション(2017)を発表。常に言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続け、既存の演劇手法に捉われない表現を探求している。2018年には映像によって演劇的空間を立ち上げる展示/上演『渚・瞼・カーテン チェルフィッチュの〈映像演劇〉』(熊本市現代美術館)を制作・発表した。

金氏徹平(かねうじ・てっぺい)
撮影:川島小鳥

1978 年京都府生まれ、京都市在住。2001 年京都市立芸術大学在籍中、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)に交換留学。2003 年京都市立芸術大学大学院彫刻専攻修了。現在、同大学彫刻専攻准教授。日常の事物を収集し、コラージュ的手法を用いて作品を制作。彫刻、絵画、映像、写真など表現形態は多岐にわたり、一貫して物質とイメージの関係を顕在化する造形システムの考案を探求。個展「金氏徹平のメルカトル・メンブレン」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2016)など国内外での展覧会のほか、舞台美術や装丁も多数。あうるすぽっとプロデュース『家電のように解り合えない』(2011)、KAAT キッズ・プログラム2015 おいしいおかしいおしばい『わかったさんのクッキー』(2015 -2016)での舞台美術を始め、自身の映像作品を舞台化した『tower (THEATER)』(KYOTO EXPERIMENT 2017)では演出を手掛ける。

出演者プロフィール
青柳いづみ(あおやぎ・いづみ)
©️篠山紀信

008年『三月の5日間』ザルツブルグ公演よりチェルフィッチュに参加。2007年よりマームとジプシーに参加、以降両劇団を平行し国内外で活動。近年の主な出演作にチェルフィッチュ『部屋に流れる時間の旅』、金氏徹平『tower (THEATER)』、藤田貴大演出『みえるわ』(小説家・川上未映子との共作)、『CITY』など。また、音楽家・青葉市子とのユニットやナレーション、文筆活動なども行う。漫画家・今日マチ子との共著『いづみさん』(筑摩書房)、朗読で参加している詩人・最果タヒの詩のレコード『こちら99等星』(リトルモア)が現在発売中。

安藤真理(あんどう・まり)

2006年伊丹アイホールにて岡田利規ワークショップ&パフォーマンス「奇妙さ」に参加。以降2008年『フリータイム』、2009年『記憶の部屋について』(金沢21世紀美術館「愛についての100の物語」)、『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』、2011年『家電のように解りあえない』、2016年『部屋に流れる時間の旅』他に出演。

板橋優里(いたばし・ゆり)

宮城県生まれ。尚美学園大学に入学し演劇を始める。大学卒業後、小田尚稔の演劇、ウンゲツィーファ、アナログスイッチ等に出演。近年ではチェルフィッチュ『三月の5日間』リクリエーションに出演。

原田拓哉(はらだ・たくや)

1981年大阪府生まれ。京都嵯峨美術短期大学卒業。美術家。グループ展2007年「Uchu」(galleryDen58)、2008年「oneroom3」(元・立誠小学校)、2013年「What(n)ever」(コーポ北加賀屋)、2015 年「DAYDREAM with GRAVITY」(ホテルアンテルーム京都)。

矢澤誠(やざわ・まこと)

1972年福島県生まれ。福島市在住。俳優。NODA・MAP、宇宙レコード、ニブロール、ミクニヤナイハラプロジェクト、カムカムミニキーナ、安藤洋子プロジェクト、遊園地再生事業団、カンパニーデラシネラ、オフブロードウェイミュージカル『リトルショップ・オブ・ホラーズ』などに出演。チェルフィッチュには『わたしたちは無傷な別人である』、『地面と床』、『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』に出演。

米川幸リオン(よねかわ・こう・りおん)

1993年三重県生まれ。父がイギリス、母が日本、のニッポン人。京都造形芸術大学映画学科俳優コースと映画美学校アクターズコースを卒業。主な出演作品は、チェルフィッチュ『三月の5日間』リクリエーション、小森はるか+瀬尾夏美『二重のまち/交代地のうたを編む』、ミヤギフトシ『感光』など。また、伯楽-hakuraku-のメンバーとして、岩手県住田町での自主映画の企画〜上映までも行っている。

出演・スタッフクレジット

作・演出:岡田利規

セノグラフィー:金氏徹平

出演:青柳いづみ、安藤真理、板橋優里、

原田拓哉、矢澤誠、米川幸リオン

映像:山田晋平

照明:髙田政義(RYU)

音響プランナー:中原楽(ルフトツーク)

衣裳:藤谷香子(FAIFAI)

舞台監督:川上大二郎

演出助手:和田ながら

プロデューサー:黄木多美子(precog)

アソシエイト・プロデューサー:田中みゆき

制作アシスタント:遠藤七海(precog)

宣伝美術:れもんらいふ

宣伝写真:守屋友樹

グラフィック:金氏徹平

企画制作:株式会社 precog

ディレクター:中村茜

シニアプロデューサー:平岡久美

チーフアドミニストレーター:森田結香

ツアーマネージャー:水野恵美

海外営業:崎山貴文

教育普及コーディネーター:栗田結夏

Exhibition Information

Artist

チェルフィッチュ x 金氏徹平
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チェルフィッチュ x 金氏徹平

演劇カンパニー x アーティスト

岡田利規  1973年横浜生まれ、熊本在住。
金氏徹平  1978年京都府生まれ、京都在住。

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Yuky

Yuki Wasano
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over 6 years ago

モノとヒトを分けるものはあるのか? 仮にそれが意思だとするならば、ヒトの意思はどこから生まれているのか? そもそもヒトの意思はモノや他のヒトとの関係性によって規定されるものではないのか? モノをヒトが動かしている⁈ヒトがモノに動かされている⁈ そこに金氏徹平効果が加わり強烈にシュール。独特の既視感を伴う表現が、不思議なリアリティをもたらすイメージ。人生がカラフルに! 個人的にはKEXで見た"消しゴム山"に、今回のroom14が加わることでストンと腹落ちしました。 モノがあることには意味はない。ヒトがいることには意味はない。一方でもしかしたらモノがそこにあることには意味がある。ヒトがそこにいることには意味がある。 そしてそれはすべからくクリエイションを意味するわけで、そんな希望を残した解釈とクリエイションへの敬意に岡田さんのお人柄を感じたり。 昔から、折々に自分が生きていること自体が演劇に思えて仕方ない私には、とてつもない納得感。唯一かつ最大の観客は自分。モノにも環世界はあるって私は思って生きてます。 来てよかったー☆

eimiozawa

Eimi Ozawa
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over 6 years ago

金沢21世紀美術館でチェルフィッチュ「消しゴム森」。人間とものと作品と場の関係/共生/共存はじめ考えさせることたくさん。例えば妻有や瀬戸内の芸術祭という場は作品じゃないものを作品に異化するが、美術館で行われるこの「演劇」は観客を作品の内側に取り込もうと終始迫ってきて、そのせめぎ合いを体験できたのがなにより面白かった。その意味でも観客がいないのだが、それってそもそもパフォーマンスの特質だよなあとも。

thank_you

Hiromi Kurosawa
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over 6 years ago

美術館での演劇。脚本、演出、役者、美術と、刺激的な組み合わせ。時間を忘れてしまうほど、いつまでも見続けられる。環境の一部に溶け合う感覚が日々高まっていく。

MasaToyama

Masamichi Toyama
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over 6 years ago

11の部屋 ものに役者が介入して、それを役者が客観視して、モノがコトになりそうな寸前でやはりただもののままである。 金氏徹平のモノは、デザイン的な感覚で気楽に見ても色彩配置構成などがかわいく優れていて安心である。 アートの世界ではデュシャンの「網膜的な目の快楽」と批判されそうだが、意味が剥奪されているようなこの状況のなかで、一周まわってその金氏の道具たちのカワイさは、ものの主体性として重要なのかも知れない。 本人は無自覚な草木の緑色を、われわれが好きなように。

MasaToyama

Masamichi Toyama
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over 6 years ago

14の部屋。 「かすかに揺れる草木に 観客はいなかった」から始まって、いきなりハラ落ちできる気がした。 確かに、ゆらめく草木もキラめく水面も自らは無自覚で無意味で、けれどもそこに意味を見出しうる。しかしそれが過ぎると急に「人間中心」という欺瞞に反転しうる。昨晩の岡田さん金氏さん篠原さんの鼎談で、展示されているのは作品ではなくモノである、といった意味もわかる。草木を作品と上から言ってしまう欺瞞のような。もっと等価で、ただ或ること。でも演劇の「もの派」ではないのは、モノが全て道具で構成されているからか。14での演技の終盤、移動されたモノがまた最初の位置に戻されたとき、ただのモノがやはり道具であったことを知れた気がした。

Other Comments

Rie

Rie Nakano
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over 6 years ago

森のような美術館のまんなかに立ち上がった 消しゴム森のなかで、 蛍光灯に蹴つまずきました。

minako

Minako Nojima
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over 6 years ago

とってもみにいきたいなあ。

MasaToyama

Masamichi Toyama
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over 6 years ago

ついに! 先般Kyoto Experimentの10年の歴史の振り返り鼎談で最も重要な作品として「消しゴム山」が挙げられていた。怒って帰ってしまった観客がいたという、従来の演劇概念を大きく更新する実験的試みを、舞台から美術館に場を移して。 金沢に足を運びこの実験者の一人となれば、是だろうと非だろうと以降その経験自身が希少なものとなるだろう。金氏徹平ふくめ、じつにたのしみ。 わたしも、怒って帰れるかもしれない。

最終更新日
2020.02.03