#君って、おいしそう。
Year: 2020
Material/Technique: Panel, Acrylic, Others
Edition: Unique
Signed:Not Set

About the Work
- Year
- 2020
- Material/Technique
- Panel, Acrylic, Others
- Edition
- Unique
- Signed
- Not Set
- Frame
- Not Included
- Work Certificate
- Not Set
- Category
- Installation
- Style
- Conceptual, Animation, Gender
Work Details
新しいアプローチである「ハッシュシリーズ」を発表します。本シリーズのタイトルにもある「#君って、、、」の「#」はSNS等で用いられるハッシュタグのことです。いわば何らかのカテゴリーや主張を、自身あるいは他者によって明示、共有できる記号です。しかし、この「#」はそれぞれの主観をラベリングする行為でもあります。筆者が世界をラベリングするように、主観がルールになってしまう文字の暴力性を現しています。VIKI本人の経験とアイデンティティを元に、マンガやイニシエーションに対する解釈をインスタレーションを主として、平面作品と立体作品を発表いたします。
作品ステイトメント
「男の子?それとも女性?」「LGBTには理解があるよ」
地球上どこにいても、たいてい僕はそういった位置につまみ出される。そこには大抵、僕の答えの選択肢は与えられていない。僕にとってこのシリーズを制作する行為は、失われた幼少期の肉体と時間を少しづつ発見し、問い続ける行為である。ここで言う幼少期の肉体と時間というのは、まだ性も自我も未発達段階のことを指し、アンドロギュヌス/両性具有者(あるいはアセックス/無性者)である。大人になった我々はアンドロギュヌスの記憶を失っているだけであり、制作と鑑賞によって再びアンドロギュヌスを実現させている。自身の性経験とアイデンティティを元に、本展では日本のマンガ界で独自にできた“ショタ・コンプレックス”という性愛の対象として少年を求める言葉に着目する。若さに対する時間や、外見主義、マンガ要素がアート作品として売買されることの意味を問いたい。
日本の文化として広まり、今では世界中の生活に溶け込んでいるマンガ。マンガによって我々は教育や思想、行動、経済までにも大きく影響を受けている。また、学校では習わないものも、マンガを手にすれば、進んで学習意欲が湧いてくる、という経験は多くの人が経験しているだろう。しかし、誰もがマンガを「楽しむ」ことができる状況はありえない。少女マンガや成人向けマンガの括りがあるのはさることながら、たとえば作者が「高身長でイケメン!」と作品内の男性を言葉で綴ったとき、読者の中では「高身長でイケメン!」でなくとも、そのようなルールで読み進めなければならない。文字や絵による作者と読者の視点やルールの乖離があるからである。そういった「マンガが読める」ということを日本のイニシエーション(通過儀礼)であると捉え、そのオタク文化装置に対する暴力性をコンセプトとしている。
我々には人生において数々のイニシエーションを迎える場面がある。それは社会との関わりにおいて必要不可欠となっているものも多くある。学生服、リクルートスーツ、昇格制度や、外見主義で記号化される個。そのような機能もまた、社会で人が変容する装置であり、ハイヒールやベールは我々が無意識にラベリングするメタファーである。
Exhibition Information
- Past Exhibitions
- VIKI 個展 「#君って、、、」01.09.2021 - 01.24
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Artist
アーティスト
2022年東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業。日常的で記憶に残らないような時間や消費行動を「時間のささくれ」とし、情報社会に生きる自身と他者との関わりや「個」としての在り方など、時間に纏わる言語を考察しながら制作をしている。 日本全国からレシートを集め、2015年からアイロンとレシートを使ったライブアートパフォーマンスを開始。熱を与えると変色する感熱紙の特徴を生かし、熱でドローイングする。ほか、壁画、油画、インスタレーション、グラフィックデザインなど、活動は多岐にわたる。 アーティストステイトメント 僕は熱しやすく冷めやすい生き方をしてきた。言ってみれば器用貧乏として生きてきたのかもしれない。おとなしくて、笑わなくて、紙とペンをいつも持ち歩いている子供だった。父子家庭で育った幼少期、コンビニ弁当生活が続いた。母親代わりの祖母が入院した時だった。値段と日替わり弁当と書かれた感熱紙のラベルは、油汚れのついた電子レンジで温めると、小さなラベルの世界がじんわりと飲み込まれるように黒くにじんでいく。僕は油に放り込まれたような時間を体感し、消費されていく感覚を持ち始めた。もう二度と戻らないというリアリティがつきまとい、生死と時間が定められた速度で前に進んでいる。誰にでも平等に与えられる 24 時間を意識せざるを得なかった。それから僕は、コンビニ弁当を買っては電子レンジで温める度に、じっとラベルの世界が染まっていく時間を見届けることが日課になった。後に僕の中にある身動きができないような静かな熱を、そのまま表してくれる感熱紙が感情のキャンバスとなった。そして紙とペンを持ち歩いていた僕の手には、いつしかレシートだけになっていた。爪先がペンの代わりとなり、掻きむしるように摩擦熱となって、他者の時間が刻まれたレシートにも施されていった。とはいえ、時間は僕を構成するエレメントであるにも関わらず、僕は未だに時間を理解できない。あるいはそもそもその気がないのかもしれない。しかし、他者は僕が知りえない時間を容赦なく与えてくる。他者と僕の時間の摩擦を感じるとることで、はじめて時間を理解できるのではないかと考えている。それが僕のパフォーマンスであり、僕の生と熱が生き続ける証として実体化するのである。 熱はいつかきっと冷めてしまうかもしれない。熱が色褪せて、記憶や記録として残していたものの輝きを失ったとしても、僕は褪せてしまった時間は美しいと思う。そしてまた新たな時間として見つめ直さなければならない。
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