2020年の始まりとともに日本に襲った新型コロナウイルス感染拡大。
その中にあって昨年は参加者が撮影した写真をオンライン上に集約し、一つの時計を創り出していくプロジェクトを制作した。個人が記録した吉野町の風景や体験の様子がオンライン上で重なり、時間や場所を超えたつながりとして可視化されていく時計である。
一枚の写真がアップロードされる度に、時計の全体像が変化する永遠に未完成な時計は、吉野町の記憶を蓄積し続ける巨大なアーカイブ装置として、一人ひとりの今を螺旋状に未来へ動き続けていく。
サイトにつながるQRコードが記された円盤形のモチーフはその中心点として現在もなお、吉野町の痕跡を刻み続ける。
井口皓太
映像デザイナー
1984年生まれ。2008年武蔵野美術大学基礎デザイン学科在学中に株式会社TYMOTEを設立。2013年にクリエイティブアソシエーションCEKAIを設立。
Artworks
Artworks by 井口皓太 are now available on ArtSticker. See the sizes, materials and concepts of 井口皓太's artworks, as well as artist information such as exhibition news and profile.
Profile
Biography
動的なデザインを軸に、モーショングラフィックスから実写映像監督、また、チームビルディング型のクリエイティブディレクションを得意とする。2020年にはオリンピック・パラリンピック大会史上初となる「東京2020 動くスポーツピクトグラム」の制作を担当。開会式典ではVideo Directorとして参画し、同大会のドローン演出3Dアニメーションも制作している。
主な受賞歴に2014東京TDC賞、D&AD2015yellow pencil、NY ADC賞2015goldなど。
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Timeline
現代、世界標準の時計は西洋の直線的な時間の捉え方に由来する。時計の針の位置で時刻を正確に伝え、科学技術の進歩で300億年に1秒の誤差しか生まないという。しかし地球規模での人/国間の距離=時間が短縮化された現代においてCOVID-19は拡大し、それは皮肉にも世界の時間を止めてしまった。本作品は、針による正確な現在地点の連続ではなく、針の軌道を経過する風景と重ね合わせながら、螺旋を描き続ける時計だ。東洋の均一化されてない時間感覚をもとに、流動的な今の残光を切り取りながら、円環へと時間概念の再定義を試みる。3台の時計それぞれの視点から採集された景色は、それぞれの時間差で放射状に分割され、それらが「今」を追いかけ続けることで繰り返し回転している。私たち一人ひとりが捉える時の尺度が異なるように、過去と現在とを織り交ぜながら変異する「今」を可視化させるこの装置は、私たち人類そのものを模している。人間が動き出すことで、時間が動き出す。本作品は、将来的に世界各国に設置し、遠隔で採集/表示映像を連結させることで、新しい時間概念を持つ世界時計の完成を構想としている。それぞれの時間差の残光のなかに瞬間的な今の接点を生み出す時計は、私たちの捉える世界の時間的空間的認識を拡張させることだろう。
■制作協力
協賛 機材提供:AUO
技術協力 システム設計実装:木村優作、平瀬謙太朗、金井啓倫
コンセプト協力:松田将英
筐体デザイン:早川和彦
筐体制作:エムエス美創
制作進行:篠田哲郎
制作協力:CEKAI
撮影協力 SEIKOミュージアム






