まもなくポイント・ネモに墜落する私たち
制作年: 2023, 2024
素材・技法: ミクストメディア, その他, デジタル, 映像・ビデオ, 金属, プラスチック, オブジェ, 音・サウンド
エディション: 未設定
サイン:未設定




About the Work
- 制作年
- 2023, 2024
- 素材・技法
- ミクストメディア, その他, デジタル, 映像・ビデオ, 金属, プラスチック, オブジェ, 音・サウンド
- エディション
- 未設定
- サイン
- 未設定
- 額装
- 未設定
- 作品証明書
- 未設定
- カテゴリー
- メディアアート
- スタイル
- コンセプチュアル, 半抽象, ファンタジー, 社会・政治・歴史, デジタル, 愛
Work Details
本作は東京藝術大学美術学部を卒業する際の卒業制作です。「居場所を失うこと」をテーマにした、ステレオドラマ・映像インスタレーションである。全尺は38分。
ストーリーはラジオ番組の形をベースに進行する。主⼈公の原型は、実在の⼈物である旧ソ連の宇宙⾶⾏⼠、セルゲイ・クリカレフだ。1991年、彼がミール宇宙ステーションに滞在している間ソ連が解体し、帰還できなくなった。ソビエトがロケットを打ち上げたバイコヌール宇宙基地は、ソ連から離脱したカザフスタンにあったため、カザフスタンがロシアに多額の費⽤を要求したからだ。ソ連崩壊直後のロシアは経済的に破綻していて、費⽤を⽀払うことができなかった。セルゲイは⼀年近く宇宙に留まり、帰還した際、故郷の変化にショックを受けたのだった。
さらに 10 年後、彼が仕事をしていたミール宇宙ステーションが廃棄され、南太平洋にある「ポイント・ネモ」という場所に沈まれた。この場所は、陸地から最も遠い海域で「⼈⼯衛星の墓場」と呼ばれている。元々は特定の国に所属していた、無数の役⽬を終えた⼈⼯衛星や宇宙機が、「ポイント・ネモ」に沈んでおり、「ポイント・ネモ」は居場所を失った宇宙機の溜まり場となったのだ。
私は地球、そして宇宙での居場所を繰り返し失ったクリカレフと、「ポイント・ネモ」に沈む居場所を失った宇宙機に、強く共感した。
今の社会に、居場所がない、あるいは強い疎外感を感じる人間がたくさん存在する。私のような外国人留学生、移⺠、難⺠など、あらゆる居場所のない⼈々の意識が、精神的な「ポイント・ネモ」に集まっているように感じた。その感覚を、このドラマと結びつけた。
この世界は誰かが居場所を失わなければならない世界であり、それが続かなければならないのか。そして、私のような居場所を探す⼈、或いは居場所のない⼈は、精神的な「ポイント・ネモ」に墜落しなければならないのか。私はこの作品を通して、旧ソ連宇宙⾶⾏⼠セルゲイ・クリかレフの語りを借りて、問いかけたいのだ。
2024年度三菱地所賞受賞。
2024年インターコミュニケーション・センター[ICC] にて展示。
撮影:木奥恵三
Artist
アーティスト, 学生
2000年中国上海生まれ。
2018年7月に来日。東京藝術大学先端芸術表現科大学院在学中。
時間芸術(タイムベースト・メディア)全般を表現手段として、映像、映像インスタレーション、ステレオドラマを中心に制作する。複合的時間芸術を通して人間の自由と社会の排他性について問題提起を行い、社会に微かでも確実な変化をもたらすことを試みる。



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