かつて風景の一部だったものに、風景をプリントする。-Idea blanchardii-(1°20'38.4"N 124°51'14.4"E)WGS84-
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:未設定

About the Work
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- 未設定
- 額装
- なし
- 作品証明書
- 未設定
- カテゴリー
- インスタレーション
- スタイル
- その他
Work Details
『かつて風景の一部だったものに風景をプリントする。』シリーズについて- 紙にプリントされた風景写真を見たとき、鑑賞するのは主にイメージのみで、紙には注意を向けない事が多いという自身の体験が動機になっている。なぜそうなるのかと考えたとき、紙と風景は別々に出来上がり紙は風景の成り立ちに関係しておらず、いわばイメージと紙は異なる由来を保有している。にもかかわらず、風景写真は人に土地を強く想起させる。では、プリントされるメディアも、土地に関係したものであった場合、人が想起させられる土地はより強いものになるのではないか?と思い至った。そこで自ら昆虫採集を行い、昆虫を採集するたびその地点の景色を撮影し、そのイメージを虫体にプリントするという過程を経ました。昆虫は、その土地で長い間繁殖を繰り返し、独自の生態や形態を獲得してきました。それらは土地特有の気候によって形成されています。また風景は様々な木々や山並みによって成立しています。これらも降水量などの気候により形成されています。この点で、二者は由来となる土地を共有していると考えた。人間的な世界認識の現れとしてのカメラで撮られたイメージがあり、昆虫の世界認識の現れとしての昆虫の体型や模様がある。それら2つを折りたたむことで、結果として人間の世界認識と昆虫の世界認識の差異が強調されないかと考えている。 『-Idea blanchardii-(1°20'38.4"N 124°51'14.4"E)WGS84-』について 9-10月に行ったインドネシアのリサーチの中で採集したオオゴマダラという蝶の仲間です。このオオゴマダラの仲間は沖縄にもいます。同じ属ですが種が異なります。しかしこれだけの海を隔てて尚、生態系に連続性があることの所以を考えるにはおそらく地質学的な時間のスケールで諸島の配置を考える必要があるでしょう。昆虫一つとってみても、そこから見えてくるスケールはとても広大な地球のストーリーを感じさせてくれます。 インドネシアのこの地域は現在中国系の観光客の受け入れを積極的に行っており、道路の拡張や新しいホテルの建設などが急ピッチで進んでいました。このプリントされた風景は新築道路を作っている森の中の風景です。おそらくこの森の環境は来年にはまた大きく変わってしまっているでしょう。写真を残すこと、標本を残すことはおそらく、こうやって変わってゆく風景を残すことなのだろうなと、急速に変わっていくインドネシアの景色を眺めながら思いました。 今回の展示では作品を箱から出しました。また展示台にラワンベニアの上に2mmの乳白色のアクリルを敷いたものを用いました。ライトを落としたところのみアクリルの下の木目がほんのり見えてディティールも程よくあり、無機質になりすぎず上品です。また、箱から出すことにより緊張感が増しました。もちろん作品の破損リスクは増えましたが、一つの見せ方の実験としてかなり良かった印象です。
Artist
アーティスト,artist
昆虫に対する興味をベースに、写真技術を用い、人間以外の視点から環境や風景にアプローチを試みる作品を制作しています。
人間以外の視点を通して世界を見たとき、人間は、人間から見た虫のように世界の構成要素の一部になります。そのようにして人間の行為を逆照射する展開を目指しています。























今回の作品はいつも標本箱に入れて展示していたものを箱から出して展示する形を取りました。
標本としての作品管理上、湿気対策などが十分にできずかなりリスキーな展示方法となりましたが、ガラスを外した展示状況から生まれる緊張感はただならぬものになりました。また課題も多く見つかったので、皆様から頂いた資金を用いて、今後はこの緊張感を活かしていくこと、作品のコンセプトの充実を図る道を模索していきたいと思います。
また、2020年2月に高田馬場のAlt_Mediumというギャラリーにて展示を行う予定です。作品の発表形態をまた試行錯誤します。細かいことが決まりましたら、またお知らせさせてください。