Fixed Window-series

Fixed Window-series

◉Fixed Window-seriesについて

あなたが見る窓の向こうには、どんな世界が広がっていますか? 

ときどき私は、あなたが見ている景色に思いを馳せてそっと目を閉じます。 

想像してみるのです、その世界がどんな色や形をしているのか。

そこからあなたの孤独、希望、空虚、幸福、絶望なんかを。 

そして想像しながら、 あなたの痛みを感じようとする自分がいます。

薄い皮膚から他人の痛みが染み込んでくるとき、

それが“あなたの痛み”なのか、“私の痛み”なのか、わからなくなることがあります。

誰かの痛みが、自分の皮膚の下に入り込み、 

私の皮膚をやわらかく押し広げ、じわじわと浸透し、気がつけば自分という形が輪郭を失い、霞んでゆくのです。

 私の見る景色とあなたの目に映る世界は、どう足掻いても交わることなく、

そのことをはがゆく思いながらも、ただ静かな空白だけが心に降り積もります。

嵌め殺しの窓に映る歪んだ景色は全ての境界線を曖昧にし、開くことのないまま、私に同じ景色を見せ続けます。 

私はその歪な窓から自分にだけ見える世界を、 ひとりきりで眺めています。