Just a piece of fabric (RZ329804Q)
Year: 2021
Size: 7.6 × 16 cm
Edition: Unique
Signed:Not Set



About the Work
- Year
- 2021
- Size
- 7.6 × 16 cm
- Edition
- Unique
- Signed
- Not Set
- Credits
- ©︎AOYAMA Satoru Courtesy of Mizuma Art Gallery
- Frame
- Not Included
- Work Certificate
- Not Set
- Category
- Mixed Media
- Style
- Society / Politics / History
Work Details
この紙幣を模した作品の価格は119,610円。この価格設定は、制作にかかった時間をタイムカードに記録し、東京都の最低賃金である1,041円を当てはめて算出した価格です。
タイムカードの記録によると、制作にかかった実労時間は57時間27分。
この実労時間に最低賃金をかけると59,805円。これが自分にとっての最低限の再生産費(労働者としての生きていくための費用)となります。
この展覧会に出品するにあたって、販売手数料を主催者と所属ギャラリーに払います。そのパーセンテージが合計で50パーセント。再生産費の確保は絶対ですので、59,805に2を掛けた119,610円がこの作品の価格となります。
今回、アーティスト支援アプリである、ArtSticker主催のイベントへの出品作品としてこの作品を販売するにあたり、ArtStickerでの支援(いくらでもかまいません)なども考慮のうえご購入者を選定させていただきたいと思います。
新型コロナウィルスの感染拡大がもたらした社会的影響のひとつに、経済格差のさらなる拡大が指摘されているのは周知の通りです。実体経済と金融経済の乖離は、アーティストとして、またイチ生活者として無視できるものではなくなってきました。近所の商店街では空き店舗が目立ちはじめている一方で、実業家は何十億円もの大金を払い宇宙へ飛び立ちます。また、アーティストとして全く実感がないのですが、世の中はアートバブルのようで一部の作家の作品が、アートの文脈とは関係なく何千万円もの価格で売買されているようです。「夢」があって良い。成功者への賛辞としてよく耳にする言葉です。しかし、この場合の「夢」とは「現実」との対比で成立する概念です。現在、世界の富の大半がほんのわずかな富裕層に集まっています。またファストファッションの本質に指摘されるように、経済格差と貧困層の拡大は、労働者たちの人権問題や、工場を置く国に端を発する環境汚染問題を招きます。このような現実に、どう向き合うのか。これは重要な社会的なテーマであると同時に、個人でも考えていかなければならない問題です。光が強ければ、影もまた濃くなるのは、いつの時代も変わらぬ真理です。
しかしながら、自分が今の立場(日本という先進国に住むアーティスト)からこのような資本主義の問題に向かい合おうとすると、すぐに自己矛盾に行き当たります。かつて民衆の芸術を謳ったウィリアム・モリスが、機械化に対抗して手作業によるものづくりに拘った結果、コストがかかり、民衆の手が届かない値段になってしまうという矛盾に苦しんだように。最近ではAmazonの創業者を批判する著者による新しい資本論の本がAmazonでベストセラーになっているように。アーティストは往々にして、資本主義経済に依存しながら自身の活動の基盤を担保しています。このような矛盾に対し「問題提起」という便利な一言で放置するのではなく、小さな一歩だとしても実践的な解決を示していきたい。これが新型コロナウィルスの台頭以来、制作の大きな動機となっています。
このデジタル通貨の時代、ただの一枚の紙切れにも成り得る一万円札を模した新作は、資本主義の矛盾をあらゆる立場への共感とエールと共に表現したものです。最低賃金を元に算出された額で販売するこの作品は、単純に資本主義の欲望の対象となることを目的としていません。代わりに作品の購入者と、今の格差社会について、資本主義について、労働の価値について、またアートの価値について、一緒に考えることを目的としています。恐らく、資本主義の未来を考える時に、「分配」が大きなテーマのひとつとなるでしょう。つまり、富める者たちが、どのように持たざる者たちに資産を分配できるのか。それは現在多く見られる搾取の構造を批判しながら、倫理観と無償の愛情を持って行われなければなりません。「成長と分配」を政策に掲げる現政権、企業、個人は、この「倫理的価値に基づく分配 [1]」を実践することができるのでしょうか。本作品が、購入条件として支援者からアーティストへの無償の愛の形であるArtStickerを通じた支援をお願いするのは、その性質ゆえに、この倫理的分配を小さな形でも実践する場としてふさわしいと考えたからです。支援はもちろんほんの少額でも構いません。この作品の売買を通じて、新しい社会を夢見るだけではなく、一緒に築くための準備ができたらと思います。(もちろん、支援を通してこの価格以上の価値を作品に与えていただけたら作家としてとても嬉しいです)
ちなみに、外貨両替ショップなどでは、紙幣の真贋を判断するために手持ちのブラックライトの光で、紙幣に仕掛けられた見えない絵柄や文字を浮かび上がらせます。この作品もブラックライトであるメッセージが浮かび上がります。また、将来的にはこの作品で他の作家の作品を購入できないかとも考えています。今後ともコレクターのみなさん、作家のみなさんと何か有意義な会話、面白いことを考えていきたいです。
[1] 哲学者であるマルクス・ガブリエルが提唱する「倫理資本主義」の元をなす考え。
参照「つながり過ぎた世界の先に」PHP新書
<送料について>
送料は、別途ご案内させていただきます。
※正式な送料につきましては、作品の発送時にメールにてご案内いたします。
※ご注文からお届けまでに2ヶ月程いただく場合がございます。
作品の健全な取引によってアーティストの価値を守るために、以下の内容につきご理解・ご協力くださいますようお願いいたします。
【販売方法】
本展示作品は先着制ではなく、エントリー制での販売となります。エントリー期間終了後に、お客様のArtSticker 内でのアクティビティなどをアーティストともに確認の上、 選出された方のみが作品を購入する権利を得ることができます。
【エントリー期間】
2021年11月24日(水) 11:00 ~ 2021年12月6日(月) 20:00
【エントリー方法】
以下の手順に従ってエントリーをお願いします。
1. エントリー期間中に、本作品ページに表示されている[購入する]ボタンを押下
2. お名前、メールアドレス、住所、電話番号などを入力
3. [ 問い合わせの種類 ] の欄は、「購入について」を選択
4. [問い合わせる]ボタンを押下でエントリー完了です。
【ご購入者様の決定】
会期終了後、ご購入者様の決定まで2週間ほどお時間をいただく場合がございます。あらかじめご了承ください。
【ご購入にあたっての注意事項】
ご購入者様におかれましては転売・譲渡・寄贈などの作品の所有権の変更または、移転する行為はお控えいただきますようお願いいたします。
Exhibition Information
- Past Exhibitions
- REAL by ArtSticker DAIKANYAMA ART WEEK - Exhibition11.30.2021 - 12.06REAL by ArtSticker DAIKANYAMA ART WEEK11.30.2021 - 12.05
Artist
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1973年東京生まれ。現在は東京を拠点に活動。
Born 1973 in Tokyo. Lives and works in Tokyo.
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「お金がなくてもアイデアと情熱があれば作品はつくれる」
確かにそうなのですが、お金は時に作品を次のレベルに導いてくれるように思うのです。まだまだ使ってみたい高いマテリアルはあるし、まだまだプロダクションも大きくしたい。作品に繋がるリサーチももっと足を使って行いたい。つまりもっと旅がしたい。あとなかなか手が出ない高額書籍なんかも迷うことなく買いたいです。なんか欲望を書き連ねてすみません。でも自分自身を更新できなくなったら作家として終わりだと思うのです。無駄遣いはしません。支援してくれる皆さまには、厳しい目で見守っていただければと思います。下手な政治家の演説みたいですね。よろしくお願いします!