市川 詩織
画家, 版画家
他者の心は、最終的にわかりあえないものです。どれだけ近くにいても、どれだけ言葉を尽くしても、他者が何を感じているかを完全に知る方法は、私には与えられていません。
私はその「わからなさ」を出発点にして制作しています。虫、小動物、社会の隅に追いやられがちな生き物たちへの眼差しは、答えを求めるものではないのです。わかることができないと知りながら、それでも近づこうとするその行為そのものが、私にとっての制作の意味だと考えます。
生物学には、生き物はそれぞれ固有の知覚世界を持つという考え方(環世界)があります。犬が嗅ぎ取る世界、蜂が見る世界、人間が認識する世界は、それぞれまったく異なるという考え方です。私はその複数の世界のあいだを移動しながら、どこにも完全には属さない場所からそれらを見続け、共感を試みる行為を制作で行っています。この感覚は、子どもの頃から人よりも自然や小さな生き物と過ごすことの多かった、私自身の生い立ちに重なります。
「わからない」という事実は、ともすれば「だから何でもいい」という諦めに向かいます。しかし私の制作はその逆を向いています。わからないからこそ、もっと丁寧に見たいと思います。もっと注意深く関わりたいと思います。
見ることは、見られたものを変えることはありませんが、それでも、見ようとした事実は残ります。私の絵画は、その痕跡のようなものです。
作品
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プロフィール
バイオグラフィー
1993年、日本の埼玉県生まれ。東京藝術大学 絵画科 油画専攻 学士を経て、2018年に同大学大学院美術研究科 絵画専攻 版画研究分野を修了。
両親が過疎地の獣医師であったことから、幼い頃から動物や自然に触れて育つ。次第に、動物そのものよりも、動物とコミュニケーションを試みる人間側に関心を抱くようになる。やがて、ユクスキュル著『生物から見た世界』で提唱された「環世界(Umwelt)」の概念に感銘を受け、他の生き物の独特な世界の見方に共感を試みる行為の中に、人間らしさを見出した。
他者の世界を客観的かつ愛情深く汲み取ることは、人間同士の文化・宗教・価値観の違いによる誤解やすれ違いを和らげる手がかりになり得るのではないか。また、それらの行為の中に、人類共通の「言語を超えた愛情」が存在するのではないか。そうした仮説をもとに、絵を通じてそれを共有する試みを続けている。
展示歴
個展
2018 「Hey Human, (ねぇ人間、)」at tagboat Gallery
2019 「FUNNY BONE」 at TAKU SOMETANI GALLERY
2020 「SLEEPING INSTINCT」 at Gallery Soumei-do
2021 「STAYING PETS」 at TAKU SOMETANI GALLERY
2022 「downtime」 at s+arts
2023 「石の下の倫理」at Gallery Soumei-do
2023 「news ca(s)t」at s+arts
2024 「supernatural friendship」at TAKU SOMETANI GALLERY
2025 「the mystery club」at s+arts
2026 「private time」at TAKU SOMETANI GALLERY
グループ展
2017 「ZURETA / INTERNATIONAL CONTEMPORARY PRINTED ART」
Tokyo University of the Arts (日本)
College of Fine Art of Shanghai University (中国)
Galéria Medium / Medium Gallery, Bratislava (スロバキア)
NEON Gallery, Wroclaw (ポーランド)
「'Shotai' Exhibition 」
2018 「なでたような跡がある」 at 表参道画廊
2019 「Sur and Smile」at s+arts gallery
2020 「s+arts summer exhibition」at s+arts gallery
2021 「blooming sensations」at s+arts gallery
2021 「版画のひきだし」at 東京藝術大学 藝大アートプラザ
「pause・print・pause」 at 銀河101
2022 「ON PAPER」 at TAKU SOMETANI GALLERY
「tagboat Art Fair 2022」 at TOKYO PORTCITY TAKESHIBA
「Art Fair GINZA」 at MITSUKOSHI Ginza by tagboat
2023 「ON PAPER」 at TAKU SOMETANI GALLERY
2024 「tagboat Art Fair」 at 大丸東京
2024 「come across a passage」at haku kyoto
2025 「小さいアート」at 藝大アートプラザ
2025 「Made in Art」at 藝大アートプラザ
2026 「コ虫や—サナギ」at コ本や honkbooks
2026 「ON PAPER:Art and Print Market」at WHAT CAFE
その他
装画 「私の学術書ー博士論文書籍化をめぐってー」、「私の学術書2ー博士論文書籍化をめぐってー」
経歴
- グループ展
- 2017 「ZURETA / INTERNATIONAL CONTEMPORARY PRINTED ART」 Tokyo University of the Arts (日本) College of Fine Art of Shanghai University (中国) Galéria Medium / Medium Gallery, Bratislava (スロバキア) NEON Gallery, Wroclaw (ポーランド)
- 2018 「なでたような跡がある」 at 表参道画廊
- 2019 「Sur and Smile」at s+arts gallery
- 2020 「s+arts summer exhibition」at s+arts gallery
- 2021 「blooming sensations」at s+arts gallery
- 2021 「版画のひきだし」at 東京藝術大学 藝大アートプラザ
- 2021 「pause・print・pause」 at 銀河101
- 2022 「ON PAPER」 at TAKU SOMETANI GALLERY
- 2022 「tagboat Art Fair 2022」 at TOKYO PORTCITY TAKESHIBA
- 2022 「Art Fair GINZA」 at MITSUKOSHI Ginza by tagboat
- 2023 「ON PAPER」 at TAKU SOMETANI GALLERY
- 2024 「tagboat Art Fair」 at 大丸東京
- 2024 「come across a passage」at haku kyoto
- 2025 「小さいアート」at 藝大アートプラザ
- 2025 「Made in Art」at 藝大アートプラザ
- 2026 「コ虫や—サナギ」at コ本や honkbooks
- 個展
- 2018 「Hey Human, (ねぇ人間、)」at tagboat Gallery
- 2019 「FUNNY BONE」 at TAKU SOMETANI GALLERY
- 2020 「SLEEPING INSTINCT」 at Gallery Soumei-do
- 2021 「STAYING PETS」 at TAKU SOMETANI GALLERY
- 2022 「downtime」 at s+arts
- 2023 「石の下の倫理」at Gallery Soumei-do
- 2023 「news ca(s)t」at s+arts
- 2024 「supernatural friendship」at TAKU SOMETANI GALLERY
- 2025 「the mystery club」at s+arts
- 2026 「private time」at TAKU SOMETANI GALLERY

