2025年7月19日(土)〜10月12日(日)まで、銀座メゾンエルメスのル・フォーラムにて開催中の展覧会「体を成す からだをなす – FRAC GRAND LARGE収蔵作品セレクション展」にて本作《Sunny》が公開されています。
これは2019年に収蔵された作品ですが、そもそも「借りてきた傘」を素材としたインスタレーションである特性上、コレクションとして収蔵されるには、やや無茶な面もありました。けれどもFRAC GRAND LARGE / フランスではむしろそこを面白がってもらえたようで、本作は「インストラクションシート」(仕様書や展示のためのプロトコル)というかたちで収蔵に至りました。収蔵の可否は有識者による審議会後に決まりましたが、決定連絡をうけたときに「よくこれを収蔵したなァ・・・」とかなり驚いたのを覚えています。
さらに収蔵後から《Sunny》はFRAC GRAND LARGE による積極的な活用が行われており、フランス国内外の美術館や公共施設にレンタルされ、1年に1度のペースで各地で再制作を繰り返してもらっています。とくに私への連絡を収蔵要件には入れていないため、どこで公開されていたかは家族や友人から知ることが多く、作品が自分の手を離れていろいろなところで使ってもらえていることを嬉しく思っています。
これは、私にとってはもはや「死後の世界」をあらかじめ経験させている状態です。FRAC GRAND LARGE による丁寧な作品管理と再制作をしていただいている結果、私の知らないところで、展覧会ごとに新しい文脈を取り込み、現地の状況にインストールされまくっている作品となりました。きっと自分の死後もこうやって、なにかの機会で使ってくれるのだろうと思うと、名前じゃなくて作品が残っていくってのはなんだか嬉しいなと思っているのです。
個人や団体が作品を所蔵/所有すること、それに対してアーティストはどのように振る舞うか。なにか一般的な商行為とは異なる「不思議な交換行為」に私はアートの可能性の一端を感じていますが、《Sunny》はそのような考えをより深めることができた作品です。エルメスでの展示では、コレクションとなってから数えて通算5回目の再制作かつ日本では初公開となっています。作品成立の前史などは詳細ページからご覧になってください。






