LAGにて開催の倉敷安耶|祖母は屋敷にひとりで住んでいた。にて展示された作品です。
祖母の家について —
開港以来、外国人居留地として栄えた神戸にほど近い町に、父方の実家はある。西洋建築のその家は、かつてアメリカのゼネラル・エレクトリック社が幹部用の社宅として建てたものだった。アメリカ人一家の後には中国人が住み、やがて祖父母が買い取って移り住んだ。
祖父は若くして交通事故で亡くなり、その後は子供達たちが独立したのちも、祖母がひとりで暮らし続けた。
あるときから祖母は「家の中に人がいる」と口走るようになり、ほどなくして亡くなった。私が中学生の頃のことだ。祖母が見たものは、死に際の幻覚だったのだろう。しかし周囲の大人たちは、「あれは死神」だの、「祖父が迎えに来た」だの、と語った。
葬儀の場で久方ぶりに顔を合わせた親戚たちは、私を見て「若い頃の祖母の生き写しだ」と言った。彼らはいまも、あの家には祖母がいると信じている。祖母の魂が家を守っているのだと。
遺品整理は滞り、我が家の倉庫や父の事務所として使われるその家は、膨大な物量を抱えたまま傷みを増している。特殊な西洋建築ゆえに修繕できる業者も少なく、修理には大きな費用がかかる。いずれ父が亡くなったとき、これらは私に直面することとなるだろう。
ささくれた手すり、錆びた窓枠、壊れた水道管。物質としての家は、確かに老いていく。
それでも、あの家は祖母が守っているらしい。父の記憶や家族の物語を抱え、いまも祖母がそこにいる。
— 倉敷安耶
倉敷安耶
Artist
1993 年 兵庫県生まれ。茨城県取手市在住。現在、東京を拠点に活動。
2020 年 東京藝術大学 大学院修士課程 美術研究科 絵画専攻 油画第1研究室(小林正人研究室) 修了
2018 年 京都造形芸術大学 大学院修士課程 芸術研究科 ペインティング領域 油画専政(大庭大介ゼミ) 修了
2016 年 京都造形芸術大学 美術工芸学科 油画コース 卒業
プロフィール写真 撮影クレジット:新津保建秀
作品
倉敷安耶 的作品在ArtSticker上出售。提供 倉敷安耶作品的信息,包括作品的價格、尺寸、材料和概念,以及藝術家的信息,包括個展和簡歷。
簡歷
簡介
公益財団法人佐藤国際文化育英財団 第26期奨学生。公益財団法人クマ財団 第3期奨学生。 転写技法を使用した平面作品を中心に、写真、パフォーマンスなど複数のメディアを取り扱い、他者との繋がりについてにの活動を行っている。倉敷は作中で他者との密接なコミュニケーションや共存の模索、あるいは融合などを試みる。現在は東京を拠点に活動。 主な活動に「outline」(2019/ Maki Fine Arts/ 東京)、入選「シェル美術賞」(2020/ 国立新美術館 / 東京)など。
学歴
2016年 京都造形芸術大学 美術工芸学科 油画コース 卒業
2018年 京都造形芸術大学 大学院修士課程 芸術研究科 ペインティング領域 油画専政 修了
2020年 東京藝術大学 大学院修士課程 美術研究科 絵画専攻 修了
賞・助成
2016年度–2017年度 公益財団法人佐藤国際文化育英財団 第26 期奨学生
2017年 浅田彰賞「SPART 2017」
2019年度 公益財団法人クマ財団 第3 期奨学生
2020年 入選「シェル美術賞2020」
2021年 公益財団法人クマ財団 継続的な活動支援事業採択
2021年 アソシエイツアーティスト「VIVA AWARD」
個展
2016年「Shadow of 0.2 Lux.」Cafe&Gallery etw(京都)
2021年「GRAVE」TSUKURU WORK 新宿センタービル店(東京)
2021年「BnA_WALL 3rd Mural A~ya Kurashiki Solo exhibition」BnA_WALL Art Hotel in Tokyo(東京)
主なグループ展
2018年「視覚の再配置」SHIN 美術館(ソウル)
2019年「outline」Maki Fine Arts(東京)
2020年「SHELL ART AWARD・シェル美術賞2020」国立新美術館(東京)
2021年「from Intimate Path」ART369space(栃木)
プロジェクト
2021年 「Intimate Path」art369project(栃木)
レジデンス
2021年 「Shortstay Program」paradise air(千葉)
ワークショップ
2019年 講師「UBE ART FESTA 2019」宇部市内(山口)
2021年 講師「BnA_WALL 3rd Mural A~ya Kurashiki Solo exhibition」BnA_WALL Art Hotel in Tokyo(東京)

















