新作を公開しました。これまでの表現の積み重ねをもとに、あらためて「存在」と「空間」について向き合った作品です。作品ページに背景やコンセプトも記載していますので、ぜひご覧ください。
西川 恵子
Artist
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京都精華大学大学院 日本画分野修了。 現在 油彩
私の制作は、現実と深層世界のあいだに漂う曖昧な境界線を探索し、移り変わる心象風景を、濃密な物質的存在へと昇華させる試みです。
この表現の原点は、幼少期から抱いてきた現実世界への違和感と、ゲームの背景美術やデジタル環境に見出してきた「人工的に構築された空間」への深い関心にあります。日常に溢れる過剰な情動や人間関係に対し、私は常に一定の距離を感じてきました。一方で、仮想空間に存在するプログラムされた厳密な秩序は、俗世的なノイズから切り離された純度の高い静寂として、私の中に深く蓄積されてきました。
音楽や仮想空間、そしてゲーム環境の感覚的な記憶を宿した私の制作プロセスは、まず潜在的なイメージを3Dデジタルソフトウェア上で構築することから始まります。日本画の修練で培った空間認識と物質感覚を基盤とし、現代のデジタルアーキテクチャと、緻密な伝統的絵画のレイヤリングを架橋するハイブリッドな手法を用いることで、私は揺らぎ続ける意識の状態を、確固たる物質として作品に定着させています。
現在取り組んでいる連作《Fragments of the Unknown(未知の断片)》では、名づけられていない世界に存在する中核的な存在の断片を描いています。物語や具体的な状況を剥ぎ取られた人物たちは、中心を持たない背景の中に配置され、知覚の残像として機能します。彼らの瞳は構築された世界の重みと質感を担い、解剖学的な形状を拒絶する身体のあり方は、その世界の特異性(異質さ)を物語っています。
感情の明確な説明を拒む彼らの表情は、静寂で瞑想的なままです。時間は希薄化され、視線は画面の外へと向けられることで、背後に広がる目に見えない空間を暗示します。意味や感情が過剰に消費される現代において、私の制作は、言葉による説明に先行して知覚が立ち上がるような、静かな場を絵画の中に構築することを志向しています。意味を固定することを拒絶するこの姿勢が、鑑賞者自身の内面を作品へと投影させ、絵画を静かで永続的な瞑想の空間へと変容させることを願っています。
伝統的な絵画の物質性と、現代のデジタル環境が交差するこの場所で、未知なる断片との対話を楽しんでいただければ幸いです。
学歴・職歴
2014年 京都精華大学大学院 芸術研究科 修士課程(日本画)修了
2018–2020 ゲーム系専門学校 修了
2020–2023年 ゲーム会社にてデザイナーとして勤務
2023年8月より画家活動に専念
受賞歴
UNKNOWN ASIA 2025
審査員賞 岡田 慎平 賞((Shimpei Okada, Director of TEZUKAYAMA GALLERY)
Independent Tokyo 2024
審査員特別賞 朴ソネ賞 (Sone Park, Director of SH GALLERY)
展示歴
2025年 SH GALLERY「現代と人間の交差点」グループ展
ディファレント京町堀アートフェア 選出
Newcomers 2025 選出
UNKNOWN ASIA 2025
2024年 Independent Tokyo 2024
伊勢丹新宿店「KANZEN」出品
日本画展示歴(2011–2017)
日展、京展、全関西美術展、花鳥画展 ほか入選多数(2011–2017)