…あわいに在るもの
制作年: 2025
素材・技法: 和紙, 墨
サイズ: 70 × 70 cm
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:あり

About the Work
- 制作年
- 2025
- 素材・技法
- 和紙, 墨
- サイズ
- 70 × 70 cm
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- あり
- 額装
- 相談可
- 作品証明書
- あり
- 作品の販売元
- 上村白冰
- 発送元地域
- 大阪府
- 発送までの日数
- 未設定
- カテゴリー
- 書道
- スタイル
- 抽象, コンセプチュアル, 哲学・ヴァニタス
Work Details
…あわいに在るもの
________________________
これは、ただ墨だけで描かれた世界。
その在り方に即した配合が、黒の奥からかすかな像を呼び覚ます。
それは「ある」と「ない」を超えた、「ある」と「ある」のあわい。
________________________
意識と無組織
もしくは
顕界(うつしよ)と幽界(かくりよ)のあわい
触れられそうで、触れられない
そんな輪郭と輪郭のあわいで
何かが、静かに息をしている
光が影へと変わる、その間
時間が重なりほどける、その間
あなたとわたしの間
そして、わたしの中の間
森羅万象とそれを示す言葉
そんな確かさと不確かさのあわいには
名づけられない想いが在る
「あわい」は始まりでもなければ
終わりでもない
ただただ、ただただ揺れている
それは
見つめることで初めて現れ
そして
見過ごすことでしか立ち現れないもの
なにより、あなただけに観えるもの
ただ墨だけで
「あわい」シリーズは、墨が持つ無限の色彩の可能性を追求したもので、ここでは、独自に配合した墨だけを用いて描いています。
顔料や、白く抜くための薬剤もない。
白を描くこともなければ、白く削り取ることもない。
ただただ墨による黒の行為を繰り返えす。
最初に墨でモチーフを描き、その紙全体を墨色に染める。そして静かに乾きを待つ。やがて時間が経つにつれ、モチーフの部分だけが異なる表情を帯びて現れる。そこに生まれるのは、私の意図を超えて立ち上がる「あわい」である。
書くこと、染めること、乾かすこと。
この三つの行為はそれぞれ一度きりであり、二度と同じ形では繰り返されない。その三重の一回性が、作品にただ一度きりの姿を結ぶ。
あわいとは、境界と境界の間に漂う、かすかな揺らぎの気配である。
そこには「ある」と「ない」が同時に息づき、確かさと不確かさが重なり合う。墨の黒は、その矛盾を抱きしめるようにして、あわいを可視化していく。
全ては「ある」と「ある」のあわいなのだと諭すように。
私にとって、この制作はあわいが常に揺らぎながら存在し続けていることの証明である。
制御を離れた生成に身を委ねることで、ふだんは見過ごしてしまう「間」の気配が、ほんの一瞬、目の前に姿を現す。その瞬間に立ち会うことこそが、永遠の中の今を観ることだと想う。この瞬間は今と云う次の一瞬なのだから。
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Artist
〓 書家 〓 japanese calligrapher 〓 contemporary artist
1978年 大阪府生まれ
墨の薫りとともにあった原風景――
書道師範であった祖母が筆を走らせる姿。
その傍らで育ち、「言葉が線となり、線が言葉となる」書の世界に自然と魅せられていった。
そこに滲む感情、宿る魂。
書とは、ただの文字表現ではなく、内面そのものの顕れなのではないか――
そんな想いが、表現の原点となる。
高校時代、「書く」ことで何かを伝える歓びに目覚め、以来独学で“自分の書”を探求し続ける。
2020年、世界が静寂に包まれた春。
改めて「書とは何か」を問い直し、原点に立ち返る決意をする。
かねてより私淑していた書家・小書齋氏に師事
伝統と革新の狭間にある“現代の書”と真正面から向き合いはじめる。
白ト黒ノ繪
静寂でありながらも、その内には激しさを秘める――
書は、今もなお進化と深化を続ける、現代表現の最先端にあると信じている。


















よろしくお願い申し上げます