dyebirth
Year: 2018
Material/Technique: Others
Size: 2000mm
Edition: Unique
Signed:Not Set

About the Work
- Year
- 2018
- Material/Technique
- Others
- Size
- 2000mm
- Edition
- Unique
- Signed
- Not Set
- Credits
- Planner/Conceptor:Makoto Fukuchi Hardware Engineer:Satoshi Nakane Software Engineer:Shuhei Matsuyama Sound Producer:Yui Onodera Architect/Experience Designer:Kazuhiro Itagaki Designer:Satoshi Kawamata Scientist:Mafumi Hishida Producerr:Shigeyoshi Hayashi Cinematographer: Shunsei Kuwasawa
- Frame
- Not Included
- Work Certificate
- Not Set
- Category
- Installation
- Style
- Digital
Work Details
dyebirth(ダイバース)
水やインク・化学物質などが混ざり合うことによって生まれる物理現象を電子制御することで、絶えず有機的な模様を描き出し続けるインスタレーション。規則的なデジタル制御と、予測不能な自然現象の狭間で様々な模様が生まれ、染まり合い、やがて無個性な黒となり死んでいく一連の様子からは、多様な生命のあり方を見出すことができるだろう。
Background / 背景
「生命性とはなにか」、科学的に解き明かされていない大きな命題の一つです。
様々なアプローチからこの問題が研究されていますが、いまだに生命の定義すら決められていません。その中でも物理学では、生命は「散逸構造(dissipative structure)」として理解されようとしています。「散逸構造」とはベルギーの物理学者、イリヤ・プリゴジン(Ilya Prigogine1977年ノーベル化学賞)が提唱した考え方で、エネルギーに流れがあるとき、その流れの中で秩序立った構造や動きが現れることを言います。生命はまさに外部とエネルギーをやりとりすることで創発されているため「散逸構造」の代表とも言えます。
dyebirth(ダイバース)では、インクなどの液体の滴下をデジタル制御することによって「散逸構造」の特徴を持つ物理現象を生み出しています。インクが滴下され、混ざり合うなかで生まれる特徴的な模様は解像度を持たず、デジタル表現では生まれない複雑な存在感を生み出します。また、その形や動きは、一定の法則性と周囲の環境に依存した個性とを同時に持ち合わせます。最終的に黒く均一に混ざっていくまでの一連の様子から、生命の最も根源的な原理および多様性を表現しています。
System Configuration
dyebirthが表現する「生まれ、染まり合い、死んでいく」様子が想起できるように、全体意匠を設計しています。漏斗部、滴下部は生命を生み出すシステムのメタファーを、漏斗と、そこから伸びるチューブを横一列にダイナミックに配置することで表現しました。インクが複雑に混ざり合うパレットと、インクが混ざり合い黒になって死んでいく廃液部は、生命の美しさ、儚さを感じさせるdyebirthの中心部であり、光を当てることで際立たせています。筐体や部品の色をブラックにすることで、dyebirthの三要素の存在感を高めています。
自然現象
本作品で見られる模様の変化には2つの自然現象が関わっています。
01. 粘性樹状突起形成
インクが滴下された際に発生する枝分かれ模様は「粘性樹状突起形成 (Viscous Fingering)」という現象により生まれています。これは粘性の大きく異なる二つの液体を混ぜた時に生まれる模様であり、生き物に見られる類似の模様(菌のコロニーや神経の樹状突起)との関連性が研究されています。
02. マランゴニ効果
インクがはじかれるように徐々に広がっていくのは、マランゴニ効果(Marangoni Effect)と呼ばれる表面張力に関係した現象によっています。これは食器洗い洗剤のCMで洗剤をつけると油が弾かれていくものと同じ現象です。単細胞も同様の物理現象を利用して動いているのではないかと、近年盛んに研究されています。
滴下アルゴリズム
本作品では、滴下アルゴリズムをライフゲームによって生成しています。
ライフゲーム
ライフゲームは1970年にイギリスの数学者ジョン・ホートン・コンウェイが考案した生命の誕生、進化、淘汰などのプロセスを簡易的なモデルで再現した離散数理モデルです。セル・オートマトンのもっともよく知られた例でもあり、単純なルールでその模様が変化する様子から、生物集団における個体群生態学的な側面を背景に持ちます。 作品内では、パレットのサイズに合わせたグリッドでライフゲームを実行。個体群の特徴を検出し、1ステップ毎に一番活性化している箇所に滴下することで、人間の意志の介在しない自律滴下機構を設計しています。
nor公式サイト
Artist
creative label
The creative label “nor” was launched in 2017 by members with diverse backgrounds such as architects, designers, musicians, and engineers. Using technology, we are approaching areas that cannot be captured by generalized definitions. We transform fields handled in research into forms that many people can experience, and carry out production activities that are not bound by methods, such as space design, installation, and product development, with the aim of updating social value and possibilities.
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