あなたの日常風景の中に潜む違和感に生命を与えると、それはどのような姿になるでしょうか?
恐怖や不安といった強い感情は儚く無形であり、向き合うことも抽象化することも、そして最終的には克服することも難しい。
そこで日本人は、不確実な現象を妖怪として具現化して表現し、コミュニティの中で共通概念として共有する方法を開発しました。
このプロジェクトは‘妖怪’のテーマを現代にアップデートし、神話や民族学的な観点から社会の中潜む違和感を考察したパフォーマンス・インスタレーションのシリーズです。
パフォーマーの身体の座標軸の傾きが加速度センサーと連動し、象徴化された“妖怪”が動き出し、変化します。
ドナ・ハラウェイは「サイボーグ宣言」(1990年)の中で、「機械と生物の混合体としての人間」を提唱しました。”サイボーグとは社会のリアリティと同時にフィクションを生き抜く生き物である。私たちの時代、神話的な時代、私たちはすべてキメラであり、捏造されたハイブリッドである”
現代のアイデンティティ、社会における性別の役割に対する不安をインスピレーションとしたこの作品の造形は、ギリシャ神話の中で異なる生命体に変身させられた女性の物語に由来しています。人々は、なぜ”畏れ”から、妖怪を生み出してきたのか。また、具現され共有化された妖怪は、現実を生きる人々にどのような影響を与えてきたのか。サイボーグとして現代に甦らせた‘妖怪‘を身に纏い、フィクションとリアリティを自身の身体を通して融合させることにより、その答えを探っていきます。



