主観性、時間と記憶の関係性による一考察 #51
制作年: 2024
素材・技法: ミクストメディア
サイズ: 58 × 72 cm
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:あり

About the Work
- 制作年
- 2024
- 素材・技法
- ミクストメディア
- サイズ
- 58 × 72 cm
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- あり
- 額装
- なし
- 作品証明書
- あり
- 作品の販売元
- Masaki Hagino / 萩野 真輝
- 発送元地域
- 三重県
- 発送までの日数
- 1週間ほど
- カテゴリー
- 絵画
- スタイル
- コンセプチュアル, 抽象
Work Details
萩野の作品の一貫したコンセプトは、「主観的知覚と絵画の関係性」である。これはこれまでの長い絵画史に向けたアプローチで、アーティストー作品ー鑑賞者のこの三角関係の関係について、脳科学と哲学から見つめなおした、絵画の新しい在り方法を考察する作品である。
近年の研究で、脳に集められる情報の約80~90%は視覚によるものであるということが明らかになっています。また人体の構造的にも人は決して同じ世界を知覚できないことは、これまで心理学、哲学、脳科学などの多くの分野で研究が行われてきました。これらを通して見えることは、私たちは世界を常に個人的に、主観的に知覚しているということであり、美術において言えば、萩野はこれを「鑑賞者が主観性という道具を用いて、絵画を分解して見ている」と捉えています。そしてその分解された絵画を構成する要素すべては、鑑賞者の脳内で再構築されています。
これまで数千年という長い絵画史の中で、多くの画家たちは「人間が知覚した立体世界を、平面にどう表現するか」という主題に向き合って来ました。そして、画家が作品を制作し、鑑賞者がそれを鑑賞する工程の中で、二度の「主観」を経ています。一度目は作家が世界を知覚し、二次元に表現する時。二度目は鑑賞者が作品を知覚する時。つまりこの「圧縮と解凍」のプロセスの最中、作品は二度の主観的認識による変化を避けては通れず、その変化は両者の「主観的認識」に左右されます。これは哲学者カントも述べている様に、人間は知覚した世界を、知識、経験、感情や記憶など、趣味判断における主観的なフィルターをかけて処理しており、これが主観的認識に大きな影響を与えています。
この研究作品では、人間が知覚し、そして脳内で再構成する「主観的な世界」を起因とする空間表現が行われています。萩野が研究により「多層遠近法」と名付けた特徴のあるこの技法は、蝋やシリコンなど半透明の素材を画面上に塗り重ね、多層のレイヤーを作り、レイヤーごとにモチーフの前後関係を複雑に重ねることで、画面の奥行きを複雑化し、時間軸や認識のズレなどを表現することを可能にしています。
この多層のレイヤーで切り分けられ再構成された萩野の作品は、脳内で再構築される前の、様々な要素で解体された純粋な知覚情報(世界を構成する要素)の抽出と、脳内での主観的な再構築を行うことで完成します。つまり作家と鑑賞者の間で内在的に二度行われる主観的認識を利用し、鑑賞者がより自由に、そして主観的に作品を脳内で再構築できることを目的とした「装置」として存在しています。そういった意味で、キュビズムが行った人間を介さない世界の空間表現と対極に位置し、非常に人間的な内部構造を抽出・利用した空間表現と言えます。
この内在的に潜む、作家と鑑賞者の間での圧縮と解凍の二度のプロセスこそが、萩野のメインシリーズのタイトル《内側に潜む》の由来であり、これは作家-作品-鑑賞者の三間構造と絵画の性質そのものを具現化していると言えるはずです。
How to Buy
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Artist
Contemporary artist / 現代美術家
1987年生まれ。2008年、Fabric Workshop and Museum (Philadelphia, US)にてApprentice Programに参加。Pennsylvania State UniversityにてProf. Lonnie Grahamの下で聴講生。 2011年に名古屋市立大学芸術工学部にて森下良三教授に師事。BFAを取得後に渡独。2019年、Burg Giebichenstein Kunsthochschule Halle にてDiploma(MA)取得。Sophia Shama, Tilo Baumgärtelに師事。近年の展示に"Deconstruction of painting", KenFineArt (2024) , Es weilt im Inneren", Eko-Haus,, Düsseldorf (2023)など。
2011年よりドイツでキャリアをスタートし、主観的認識をキーワードに、脳科学、哲学を研究に取り入れ「絵画作品と人間の知覚の関係性」をコンセプトに制作を続ける。
























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