うごく木
制作年: 2021
素材・技法: 墨, 和紙
サイズ: 49.5 × 69 cm
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:未設定

About the Work
- 制作年
- 2021
- 素材・技法
- 墨, 和紙
- サイズ
- 49.5 × 69 cm
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- 未設定
- 額装
- なし
- 作品証明書
- 未設定
- カテゴリー
- 書道
- スタイル
- 抽象
Work Details
うごく木 ステートメント
幼い頃の記憶から。
まだ幼稚園に上がるか上がらないくらいの時に、父親の車の中で死にかけたことがある。父親は、グロリアの商用バンで広島市内の寿司屋や仕出し弁当屋を回り、そこの大将と交渉し、当時流行っていたメラミン製の漆器や弁当箱を売る仕事をしていた。
私は車に乗りたくて、わがままを言ってその仕事について行ったことが何度かあった。
夏の暑い時だった。父親はいつものように仕出し屋の裏口に車を停めて、店の中に消えていく。自分はおとなしく車の中で待っていたが、なかなか帰ってこない。きっと話が弾んでいるのだろう。私は眠くなり、寝てしまった。
次に気がつくと、血相を変えた父親と店のおかみさんが私を抱き抱えて店の中に連れて入ってくれるところだった。額に氷嚢が当てられ、自分はこれはただ事ではないなと思った。
その帰り道、エアコンなどまだない時代の商用バンの窓を全開にして、私は窓の外の街路樹を見ていた。
(木が猛烈な速さで動いている!)
私はそう思って、そのことを父親に告げたが、彼は黙ってハンドルを握っていた。そして家に帰るまで何も言わなかった。
帰ると布団が用意されており、クーラーの効いた部屋の中、私はそこに滑り込んだ。それ以来、私は父親の仕事についていくことはなくなり、車に乗る機会はほとんどなくなった。だから動く木のことも、いつのまにか忘れてしまった。
本作「うごく木」は急いで家に帰る父親の、猛スピードの賜物だったのだ。
※作品代金に額装代が含まれます。

































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