開花
制作年: 2021
素材・技法: 油彩, 木綿・コットン, パネル
サイズ: 27.6 × 22.1 cm
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:未設定

About the Work
- 制作年
- 2021
- 素材・技法
- 油彩, 木綿・コットン, パネル
- サイズ
- 27.6 × 22.1 cm
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- 未設定
- 額装
- なし
- 作品証明書
- 未設定
- カテゴリー
- 絵画
- スタイル
- ポップアート
Work Details
「拝啓 ⼋重桜と藤が⼤森で満開の頃、如何お過ごしですか。カナダは陽気も好く⽗が贈ってくださった⼦供達の鯉のぼりが泳いでます。」
2021年4⽉3⽇、祖⺟が旅⽴った。その⽇、祖⺟の家の⼋重桜と藤は、祖⺟の旅⽴ちを祝福するように、私たちをもてなすように咲き誇り、また、残された者が悲しみにくれない配慮として、やさしい祖⺟がくれた贈り物だったのかもしれない。冒頭の⽂は、告別式にコロナ禍で帰国できなかった弟から寄せられた⼿紙の⼀節だ。しまっていた涙がこの時⼀気に溢れ、会場の皆んなの啜り泣きと共鳴した。幼い頃、共働きの両親のために、祖⺟は⼤森から私たちの住む世⽥⾕に通い、孫4⼈の⾯倒を⾒てくれていた。祖⺟が来ると、暖かく、おいしい⾷事が⽤意され、部屋はすっきり整った。それは普通の家庭⽣活なのかもしれないが、私たちにとっては⼤きな幸せだった。3⽉29⽇、祖⺟の危篤を知って会いに⾏ったあの⽇も、世の中はソメイヨシノの花盛りだった。この⽇、祖⺟の家は⼈の出⼊りがあると聞いていたが、予想に反して、部屋はしんと静まりかえり、叔⺟が⼀⼈、発芽した⾦柑の⼿⼊れをしていた。この時、まだ祖⺟は落ち着いていて、穏やかな顔で眠っていた。⼆⼈っきりで対⾯したのは、これが最後となった。祖⺟の家にあった古いアルバムや、告別式に飾られていた祖⺟の昔の写真を眺めているとき、祖⺟の記憶の彼⽅へと吸い込まれるような感覚に陥った。6⼈兄弟の⻑⼥として弟妹たちの⾯倒を⾒てきた祖⺟、ひときわ可憐な学⽣時代の祖⺟、凛とした⺟になった祖⺟、私の会うことのできなかった祖⽗の⻑い闘病⽣活に寄り添text-bold Add Link hyperlink-2 「拝啓 ⼋重桜と藤が⼤森で満開の頃、如何お過ごしですか。カナダは陽気も好く⽗が贈ってくださった⼦供達の鯉のぼりが泳いでます。」 drag 項目を挿入い続けた祖⺟。やさしく朗らかな⼈柄の中に表には⾒せない芯の強さを持っていた。展覧会が決まった当初、私は私の⽇常にある「あるひのこと」を淡々と描くつもりでいた。しかし、祖⺟の死を⽬の当たりにして、私の世界に祖⺟が頻繁に現れるようになった。それから朝⼣散歩をするたび、開花する花や勢いよく育っていく新緑を眺め、「ありがとう」という気持ちが溢れてきた。美しい花や⽊々を眺めると、そこに祖⺟がいるような気がした。そんな祖⺟への想いを吐き出すように「あるひの祖⺟」やその後の「あるひ」の断⽚を描き落としていくことになった。どんなことがあっても季節は流れ、蕾が開き、花が散り、新緑に沸き⽴つ。その変化し続ける⾵景は、変わりながらも変わりなく、淡々と過ぎていく。
Exhibition Information
- 過去の展示
- 安達裕美佳「あるひのこと」2021.05.22 - 06.13
Artist
Artist
1987年に東京生まれ、2012年に東京造形大学大学院美術研究領域を修了し、在学中より個展を開催するほか、グループ展にも積極的に参加し精力的に作品を発表しています。
表現方法は絵画に留まらず、インスタレーションや写真、様々なジャンルのアーティストとのコラボレーション、パフォーマンスなど多岐にわたります。
























今後の作品制作費のため、ご支援いただいたお金は大切に使わせていただきます。