蜂毒
制作年: 2025
素材・技法: 油彩, キャンバス
サイズ: 18 × 14 × 2 cm
エディション: 1点物、ユニーク
サイン:あり

About the Work
- 制作年
- 2025
- 素材・技法
- 油彩, キャンバス
- サイズ
- 18 × 14 × 2 cm
- エディション
- 1点物、ユニーク
- サイン
- あり
- クレジット
- Courtesy of CHANGTING GALLERY
- 額装
- なし
- 作品証明書
- あり
- 作品の販売元
- 長亭GALLERY (CHANGTING GALLERY)
- 発送元地域
- 東京都
- 発送までの日数
- 展覧会終了後、約2週間
- カテゴリー
- 絵画
Work Details
2025
180×140×20mm
Oil on canvas
JPY ¥30,000 tax included
ステートメント
展覧会に寄せて
中村奈津希が描く、一見すると暴力的なまでに絵具が盛られた行為のように見える絵画は、削り取られた線や繰り返される筆致、混ぜ合わされたモルタルやコンクリートのようなメディウムのマチエールによって構成される。それらはウィレム・デ・クーニングをはじめとする初期抽象表現主義の憧憬的なアプローチには思えず、例えるなら、自然界に存在する液体から個体までの物質を絵具という糊で結びつかせているように感じられる。
ステートメントで彼女は、「白いキャンバスはただの空白ではなく、人が自然に手を加え、生きる場所へと変容させる行為そのものだ。」と言う。しかしここで言う人とは、人間が自然に対する社会の営みである。それはあらゆる物質が混在する絵画空間において、人工的なものと自然が共存しているかのように結び付けられている。しかし、その絵画を鑑賞している我々には本来自由であるはずの線や絵画空間が、グロテスクな檻のようにしか見えない——それは彼女が描く時の行為における、もがいたように引っ掻いた痕跡が、私たちを四角平面状から外部に行くことを拒み、閉じ込めているからだ。
「絵を描く行為は、自身の経験の中で社会的な軋轢や不和を自己投影した時、許容や精神理解のために格闘する。その中では、絵画の成立のための打算的なプロセスは存在しない。」と彼女は言う。これらのことからタイトルにある「水と油」が物質ごとの差異と混在性を示すとするならば、「火と油」は彼女の言うように精神の葛藤の格闘そのものであろう。そうした符合はあるにせよ、彼女は描く行為の中で、もどかしく繰り返されうる身体を、螺旋状のような時間の中で許容している。
ふと、その構造はセカイ系作品の中で「涼宮ハルヒの憂鬱」や「ひぐらしのなく頃に」における堂々巡りの構図とよく似ているかもしれない。それらの作品群の特徴は、社会的な関わりとは乖離した主人公たちの行為や危機感がそのまま「世界の危機」にシンクロするものだ。そうした絵画平面に向ける彼女の意識を最小単位とするならば、完成される作品は一個人のどうしようもない現実世界のテーゼである。作家自身がその危機を脱出しようと、矛盾しながらも連続される行為によって外に出たいともがきながら、行きたくない未来を拒む。我々に思索と内省を示しながら。
絵画の肌理は我々を巻き込んで、終わらない夏のように繰り返していく。しかしその時間は我々に内省を促すと同時に、閉じ込められた檻を破壊する期待を孕む。
その未来は、丁寧にゆっくりと私たちを待っている。
松田ハル
Exhibition Information
- 過去の展示
- 中村奈津希「火と油/水と油」2025.07.26 - 08.17
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Artist
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1999年 熊本県生まれ
2022年 東京藝術大学絵画科油画専攻卒業
絵があることで、そこにはない場所や時間が変質し、私たちが捉えている物事の見え方が変わる瞬間があります。それは、重力であったり、見えない力が私たちの意識に入り込んでくるようなものです。そのようなものが存在することによって、ある空間が変容していくような絵を私は描きたいです。







































