
メインシリーズ
私の作品は抽象という手法を通じ「見る」という純粋な行為を再発見しようとする試みです。物語や奥行き、明確な参照対象を取り除くことで、色と形を何かの象徴としてではなく、それ自体の力で存在させています。鑑賞者を特定の意味へと誘導することはありません。
インスピレーションの源は、物事に名前が付けられる前の赤ん坊が初めて世界を体験する時の眼差しです。その段階では色や形は自由で開放的な感覚として捉えられます。私は制作を通じて、そのような直感的でダイレクトな知覚の場に立ち返りたいと考えています。
スタジオではあえて見覚えのある姿や物語的な要素を排除します。そうすることで色と形が互いにどう響き合うかという点に深く集中できるからです。このプロセスを経て、絵画は形と色調、そしてエネルギーが生き生きと交錯する場へと変わります。
私の絵画は何か特定のものを表現するためのものではありません。それはひとつの「余白」のような空間です。鑑賞者がふと立ち止まり、先入観なく眺め、自分自身の感覚や感情、記憶とつながるための場所。描くことを通して、「見る」という感覚そのものをあらためて感じてもらえたらと思っています。そこでは、知識や理屈よりも先に、色や形をそのまま感じる体験が生まれます。








































